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団地再生事業協同組合、住民の交流を促すリノベーションで活性化を

団地再生事業協同組合、住民の交流を促すリノベーションで活性化を

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団地内に'「NPO」を作りイベント企画

 首都圏を中心に、老朽化した団地のリノベーションを行っているのが、団地再生事業協同組合(東京都港区)だ。同組合は、団地活性化のコンサルティングを実施し、3つもの団地再生に成功している。

団地再生事業協同組合 すすき野団地で居室をリノベーションをした事例すすき野団地で居室をリノベーションをした事例。老朽化した団地が改修できれいになるさまに多くの住人が驚いた

物件価値が倍増の1600万円に

 「団地を再生する上で最も重要なのが、自分たちの団地も資産価値があることを意識してもらうことなのです」

 こう話すのは金丸典弘代表理事だ。そのため同組合が手掛ける再生のプロセスは大きく2つのステップがある。1つはこれから再生する団地の専有部の資産価値を高めることだ。

 具体的には、団地内の1戸を買い取り、リノベーションをかけて再販をする。さらに、買い取った時よりも高値を付けて売り出すことだ。

 2013年9月、神奈川県横浜市のすすき野団地で行った事例では、組合が800万円で購入した物件を400万円かけて改修。

 オープンハウスを開催した後、1600万円で販売した。

 オープンハウスの際には、主に団地に住む人々を招く。それにより資産価値が上がることを来場者に体感してもらうのだ。

 「自分の家の価値がすでに二束三文だと思って劣化を進めてしまう人が多い。今住んでいる物件が、リフォームによって価値がこんなに高くなるんだ、と知ってもらうことが第一歩」

団地再生事業協同組合 団地を外部にPRするための特命大使を募集するチラシ団地を外部にPRするための特命大使を募集するチラシ

野菜作りを通じて関係を改善

 しかし、個別の住戸や建物だけを改修しても団地全体の再生は進まない。そこで2つ目のステップに移る。住民の関係性をリノベーションすることだ。 

 なぜなのか。「住民の関係性も希薄になっているためです。住民の多くは高齢者。若い入居者との積極的な交流も少ない。さらに空室の多さも交流を阻むことが多い」

 この希薄な関係を濃くするために、同組合は団地内NPOの設立を推進している。

 団地内NPOとは、住む有志で構成された、管理組合とは別の組織。団地内で協力して暮らしやすい環境づくりを行うことが狙い。イベントなどの企画運営や建築設備の改善、団地における子育て支援など、団地を取り巻く課題に取り組む10弱のタスクフォースチームを作り、解決を図る。

団地再生事業協同組合 団地内に設立したNPOの参加者が行っている会議団地内に設立したNPOの参加者が行っている会議。イベントの企画と運営、設備の改善、若い入居者の子育て支援、など10弱のタスクフォースが作られ、それぞれの課題解決に住民自らが取り組んでいる

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