四季のリフォーム
~3カ月先の提案に備える~
春編 シロアリ対策
寒気温が上がる4月には、シロアリも飛来を始める。木造住宅を守るためには、定期的な検査・防蟻対策が欠かせない。既存住宅で手軽にできて安全性が高い、代表的な方法を紹介する。
シロアリの被害
床板木材の結合部にシロアリが盛り上げた蟻土(上)と食べられた木材(下)
写真提供/公益社団法人日本しろあり対策協会
日本全国でシロアリの被害
日本に生息する22種のシロアリのうち、建物に被害を及ぼすヤマトシロアリとイエシロアリは全国に分布している。
シロアリは雑食性で、木材だけでなくコンクリートやブロックにも加害する場合もある。
土壌と木部の薬剤で処理
一般的なシロアリ対策としては薬剤処理が挙げられる。土壌を処理するものと、木部を処理するものとがある。
シロアリは地中を通って侵入する。これを防ぐために、家屋の周囲の土を薬剤で処理するのが土壌処理。薬剤を木材に吹き付ける、塗布する、穴を開けて注入するのが木部処理だ。地面から1mまでの間にある部材や水まわりの木に処理を施す。
薬剤をシロアリが持ち帰り、巣ごと壊滅させるイメージ 画像提供/城東テクノ
人体に無害なホウ酸対策
薬剤に代わり需要が増えているのは、ホウ酸処理だ。ホウ酸を木材に処理して、腐食や劣化、害虫の被害を防ぐというもの。
ホウ酸は揮発しないため空気を汚さず、床下の空気を循環させる工法にも使える。無害なので、住人やペット、施工者にも安心して使えるのがホウ酸の特徴だ。
ホウ酸処理
ホウ酸成分を散布、注入する。床下には防カビ成分を含むものもある 写真提供/日本ボレイト
ベイト工法で巣を壊滅
薬剤の環境負荷を減らすのはベイト工法だ。建物の周囲に薬剤の入った餌を土中に埋め込むものだ。シロアリが薬剤の入った餌を次々に運び、巣を壊滅させるしくみだ。
施工中も住人は通常の生活ができ、安全性が高い。
ベイト工法
防蟻材の含まれた本体(左)を家の周囲の地中に埋め込む(右) 画像提供/城東テクノ
シートで通り道をシャットアウト
床下に防蟻成分の含まれた防湿シートを敷き込む工法もある。地中を通って建物に侵入するシロアリの通路となる土壌表面や布基礎ぎわなどを遮断する。
シートの薬剤は飛散しないので、空気中や土壌、水質を汚染しない。
シート工法
床下の土の上に、防蟻・防湿のシートを敷き込む。境目を処理して完成 写真提供/アリダン施工協力会

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