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東急池上線の空き物件を活性化
建物だけではなく、地域をも再生するリノベーションを―――。3月3日、東京都大田区を舞台に地域に活気を取り戻そうとする取り組みがスタートした。これは東京急行電鉄(東京都渋谷区)が街の再生などを手掛けけるリノベリング(東京都豊島区)と組んだプロジェクト「リノベーションスクール@東急池上線」。わずか3日間で再生プランを生み出すという独自のまちづくりの手法に注目が集まっている。
プレゼンテーション資料を練るリノベスクール参加者たち。3月3日から5日にかけて、現地の調査、ヒアリング、改修プランの策定などを一挙に行ってきた。「まちにダイブ」がコンセプト。参加者自らが建物やエリアの魅力や問題点を洗い出し、より活性化させる再生案を提示した
池上本門寺エリアを再生
今回再生するエリアは東急電鉄が管轄する池上線の池上本門寺周辺。ここにある温泉、本門寺の施設永寿院、本門寺公園、そして池上駅前の空き店舗をうまく再生して街に活気を取り戻すというものだ。このスクール開催の背景にあるのは、舞台となる大田区が都内23区の中で最も空き家を抱えているエリアであるためだ。沿線の価値を高めたい東急電鉄にとって、空き家が増えることは好ましくない。エリアの魅力を高め、人の流入を図ることが同社の戦略として重要になっていた。
スクールは3月3日から5日までの3日間。このわずかな期間で再生対象となる建物やエリアを確認し、プランニング、プレゼンテーションまで一気に行うという異例のスタイル。
再生案を考える参加者は事前に公募され、デザイナーや建築家、不動産事業者といった仕事を持つ人が約30人参加した。これらを4つのグループに分け、各チームごとに独自の「リノベーション」案を作る。スクール最終日には発表会が行われ、再生案が決定する。今回は例えば、温泉の2階を「まちの劇場」に、永寿院をワーキングスペースやレンタルスペースに、本門寺公園の資材置き場を「木工カフェ」に、駅前の空き店舗は1階をワークショップスペース、2階をカフェ&バーにというプランが上がった。

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