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【ホテル大改修】
2020年、政府は海外からの観光客を4000万人へと増やす方針だ。圧倒的にホテルが足りない。新築もありだが、余っている建物をリノベーションすることでもホテルは作れる。今後、宿泊施設の改修は大きな産業になる。
居室は明暗際立つ独特な雰囲気に仕上がった
日本の美を表現
もうまもなく観光客が年1000万人に届く勢いのある街、大阪。大阪市「谷町」エリアに出来たあるホテルが今、注目されている。「MAISON DE 9(メゾンドナイン)」と名付けられたこの物件は、築88年の三軒長屋をリノベーションしたもの。宿泊だけでなく、割烹、アートショップ&バーもあり、ユニークな複合施設として注目されている。
設計は数々のリノベーションコンテストで受賞実績のある9(ナイン・大阪府大阪市)。
コンセプトは谷崎潤一郎の「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」の世界。ベースカラーを鉛色にし、あえて部屋を暗くした。新築のホテルでは決して選ばない選択肢。暗くした理由について設計した久田カズオ代表は「陰影があるからこそ、照明や外からの光がさらに美しく見える。こうして明暗をはっきりさせることで日本独特の美が際立ちます」と語る。
伝統工法で作られた構造躯体は生かした。「建物をホテルという形で残し、誰もが日本の美を体験できるようにしたかった」(久田氏)
リノベの力で新たな宿泊施設ができた
もちろん補強と補修は行い、ドアの交換、裏庭の整備なども行った。キッチンや洗濯機などを備えた一軒貸しのホテルで、主に中期滞在者をターゲットとしている。一般的なホテルとは違い、大阪での生活を体験してもらおうというのが特長。お風呂や空調などは最新のものを取り入れ、快適に過ごしてもらえる工夫もしている。

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