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省エネリノベーション浸透化に向けて新サービスを展開

省エネリノベーション浸透化に向けて新サービスを展開

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省エネリノベーションのメリットを数値化することで「見える化」し、効率的にリノベーションができる技術開発、提供も行うリコシス(東京都中央区)。今後さらに省エネリノベーションが浸透化していくために、どのような取り組みを行っているのか。同社取締役の伊福澄哉氏に聞いた。

取締役の伊福澄哉氏取締役の伊福澄哉氏

課題は既存住宅の販売方法

──省エネリノベーションの普及にあたり、どのようなことが課題なのでしょうか。

既存住宅の購入層向けに、省エネリノベーションの情報発信がきちんと行われていない、という点が大きな課題だと考えています。国土交通省が出している「令和5年度 住宅需要動向調査」によると、既存戸建てやマンションを購入する方のうち、住宅に高気密・高断熱を期待する方は1割未満。一方、新築の注文住宅を取得する方は、6割以上が高気密・高断熱に期待しているというデータが出ていまして、これこそ本来の感覚だと思うんですよ。快適に過ごせることが住まいのベースである筈ですから。

──既存住宅でも高気密・高断熱が実現できるのに、それが浸透していない状況だと。

どの様な工事をすれば、どれくらい断熱性能や省エネ性能が上がるのか、販売する側にも専門知識がなければ説明できませんので、難しい問題だと考えています。たとえば、省エネリノベを施したマンションが相場より高く販売されていたら、その価格に納得がいくよう、効果を購入層に説明できなければなりません。

そういった課題と向き合うために、当社グループではFLIE(フリエ)という、中古住宅の物件情報サイトの運営をはじめ、売主が物件の良さを直接発信できるものとました。掲載物件の一部では、実施した省エネリノベの内容、それによって変化した光熱費の目安を算出した「省エネルギー性能レポート」も物件資料として載せています。

省エネリノベーションの効果を目安光熱費を中心にみることができる「省エネレポート」省エネリノベーションの効果を目安光熱費を中心にみることができる「省エネレポート」

──省エネ性能の高さを、光熱費で伝えられると。それは大きな説得力ですね。

省エネ基準に適合すれば、住宅ローン減税の借入限度額も増えたりと、メリットは大きいわけですよ。だからこういった販売方法に、不動産業界全体がもっと向き合うべきだと考えています。

買取再販業者がリノベを企画する際、どうしても工期の短さやコストの低さを重視しがちになると思います。でも、省エネリノベを施した物件は、エンドユーザーにとって満足度の高い、価値ある住まいになるわけですから。その点にもっと注目するべきですよね。もちろん買取再販業者だけでなく、物件を販売する仲介会社、エンドユーザーからリノベの注文を直接受ける施工業者においても、そういった姿勢が大事ではないでしょうか。

各自で光熱費算出が可能に

──FLIEの掲載物件のように、購入層に省エネリノベの魅力を具体的に伝える必要がありますね。

そこで当社は、不動産会社からもわかりにくいとされる省エネリノベの効果を瞬時に算出できる「マンション断熱性能簡易確認シート」を事業者各自で使えるよう、ウェブコンテンツとして開発しました。

これまでは、省エネリノベによって変化した断熱性能や光熱費の目安を出すにも、専門の会社に外注して、結果が出るまで1週間はかかっていると思います。でもこのシートがあれば、必要項目を入力して10分程度でその数値が分かるようになるのです。

──それは大きなニュースですね。その分、工事内容の決定も早まると。

工事内容が決まっても、いざ実施するにはハードルが高過ぎる、などといった結論になってしまわないように、当社では工期、コスト、施工業者の負担すべての軽減につながる技術提供も行っています。

既存の断熱材を解体せずにそのまま生かす「AIB(アイビー)工法」、伸縮性ある素材だから配管がある床下でも施工しやすい床下断熱工法「シーフェル」、室内の温度を保ちながら給排気できるダクト式全熱交換型換気システム「VAF Re-24」なども開発しています。空気清浄機を連結することで花粉やウイルスもシャットアウトしながら、新鮮な空気を入れることができます。

──省エネリノベの企画から施工まで、効率よく進められるツールが揃っていますね。

省エネリノベがもっと浸透するには、手掛ける事業者のお悩みや課題を解決することが大事で、そのサポートを行うのが当社の役割だと考えています。

──「マンション断熱性能簡易確認シート」は特に画期的ですね。提供はもうはじまっているのでしょうか。

はい。この8月6日から提供開始しておりまして、1ヶ月間は無料モニター期間とさせていただいています。その後からは有料となりますが、1物件の光熱費算出につき1500円程度の利用料金で提供する予定です。専門会社に外注すれば10万円はかかる内容を格安で算出できますから、是非多くの事業者の方々にご利用いただきたいてすね。

当システムの利用方法等につきましては、TEI Japan HPのNEWSにて掲載がありますので是非ご覧ください。

問い合わせ先

46336_02.jpg株式会社リコシス(東京都中央区)
電話番号 03-6262-6633

問い合わせ先:info@recosys.co.jp

会社紹介

省エネリノベーションに対応した商品開発やFC事業を通じて、既存住宅ストックの断熱化、省エネ化を推進します。日本の暮らしを快適に、省エネリノベーションをあたりまえに、時代の空気まで変えるイノベーションを起こしていきます。

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