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「1ドア2ロックの日」記念シンポジウム...

2014年1月26日

「1ドア2ロックの日」記念シンポジウム 次世代の住宅セキュリティを考える

東京・丸ビルホール
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錠前トップメーカーの美和ロック(東京都港区)が主催するシンポジウムが先ごろ、東京・丸ビルホールで開催された。これは同社が制定し日本記念日協会に認定された「1ドア2ロックの日(1月26日)」を記念したもの。20~30代の男女を中心に、200人が参加した。

「1ドア2ロックの日」記念シンポジウム開催

 基調講演には、神奈川工科大学スマートハウス研究センター所長の一色正男教授が登場。スマートハウスビジネスの現状や将来像、スマートハウス対応機器の開発などについて講演した。

 続いてパネリストによるディスカッションを開催。生活者の視点から見た住宅セキュリティの問題点や、電子錠とスマートハウスの組み合わせがもたらす可能性について、議論が展開された。 会場にはハンズフリーで開錠・施錠できる最新型の電子錠も展示され、注目を集めた。

基調講演
「みんなで一緒に創る、安心・安全なスマートハウス」

神奈川工科大学 スマートハウス研究センター所長 一色正男教授

神奈川工科大学スマートハウス研究センター所長 一色正男教授

 次世代型住宅スマートハウスが世界中で普及しつつある。日本でもスマートハウスは年間15万戸が販売されており、身近な存在になってきた。

 スマートハウスの基盤となるのが、ホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS)だ。HEMSを使うと住まいのエネルギーの利用状況をメーターで確認できるので、約10%以上の省エネが図れる。来年から順次、全国の電力会社で、従来の電力使用メーターに代わりスマートメーターを導入することが決定した。

 私は、HEMSと、スマートメーターや家電機器をつなぎ、操作するための「エコーネットライト規格」づくりに携わり、オープンな国際標準規格に広げようとしている。

 エコーネットライトは経済産業省が推奨する規格で、これを使えばすべての対応機器を操作できる。機器のオン・オフだけでなく、たとえばブラインドの角度など、きめ細かなコントロールができるのが特徴だ。インターネットブラウザ付き携帯電話からでも操作できるので、いろいろな場所で幅広く誰もが利用できるようになる。

 神奈川工科大学にあるHEMS認証支援センターは、エコーネットライト規格機器の開発に役立つ環境を提供している。各メーカーからの見学者の他、工務店の方も多く来場している。「安心・安全」を生活者に伝えるのが大切だ。

パネルディスカッション
「スマートハウス時代の、これからの暮らしとセキュリティ」

防犯専門家安全生活アドバイザー 佐伯幸子氏 美和ロック株式会社 商品企画部技術情報グループ課長 斉藤正邦氏 美和ロック株式会社商品企画部長 奥山雅裕氏 フリーアナウンサー 高樹千佳子氏

佐伯 1ドア2ロックのドアは、鍵1つのドアに比べ、まず見た目で泥棒から狙われにくく、壊すのにも時間がかかる。さらに犯罪を防ぐには厳しい試験を通過したCP認定錠が有効。

高樹 独身時代は1ロックの部屋に住んでいて、防犯上の不安を感じていた。結婚した今でも2ロックのほうが安心。その2ロックが手軽に開閉できるとさらに便利だと思う。今はオートロックマンションでも外部の人が入りこめて心配。そういった住まいの不安が解消できるようなサービスを望んでいる。

奥山 1ドア2ロックが普及してきたが、子どもや高齢者はカギ穴にカギを差すのが難しいことも。ポケットに入れたまま近づくだけで開けられる鍵や、スマートフォンが鍵代わりになるシステムを開発しマンションで実用化している。

斉藤 玄関の錠前は家族が必ず通る場所ということに着目すると、さまざまなサービスが考えられる。クラウド上のソフトウエアや公共のサービスインフラと鍵のシステムは、両輪となって継続的に発展できるだろう。

佐伯 近頃は独り暮らしの突然死が、年齢を問わず増えている。

斉藤 独居者が病気で倒れても、施錠してあるため救急隊が入れないケースもある。そんな場合もスマートハウスと電気錠なら、離れて暮らす親族に知らせて遠方から解錠してもらうようなシステムも作れる。

斉藤 鍵メーカーとして少子高齢化の問題を解決したい。介護問題では大牟田市の取り組みが話題になっている。そこでは徘徊する高齢者の特徴をメールで共有しあうのが基本になっているが、もし高齢者の外出時、施錠と同時に写真を撮れるシステムがあれば、もっと徘徊者を見つけやすくなるだろう。

佐伯 テクノロジーが進歩しても、防犯には人間どうしのつながりが大切であることを忘れないようにしたい。

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