福井コンピュータドットコム、国内最大級...

福井コンピュータドットコム　野坂寅輝社長

　福井コンピュータホールディングスのグループ会社である福井コンピュータドットコム（福井県坂井市）は、建材や住宅設備機器の3Dデータをシミュレーションできるカタログサイト「3Dカタログ.com」を今年４月にオープンした。野坂寅輝社長に、同サイトの概要と今後のサービス展開について聞いた。

大手メーカー104社が参加

――建築CAD分野のトップシェアを誇る福井コンピュータグループの事業会社の1つとして、御社が昨年12月に設立されました。その目的は何ですか。

　福井コンピュータグループでは、「建設業界の3次元（3D）化」をキーワードに様々な取り組みをしてきました。他のグループ会社が建築ＣＡＤ事業を進めていく一方で、私どものミッション（使命）は、3Dカタログサイトである「3Dカタログ.com」を核として、家づくりの３次元化を推進するためのWEBサービスを構築していくことにあります。

――「3Dカタログ.com」の特徴は。

　大手建材設備メーカー104社、約5000シリーズの3DデータをWEB上で公開している国内最大級の3Dカタログサイトです。建設や設備メーカーのサイトにも電子カタログがありますが、その会社の製品に限られます。「3Dカタログ.com」では、1つのサイトで各社の建材・設備の情報を横断的に見ることができます。

――具体的な使い方は。

　大きく分けて2つのステージがあります。その1つは、建材や設備そのものの製品情報を3Dで確認し、色やオプションの組み合わせシミュレーションができる「建材・設備シミュレーション」、もう１つは3D空間に建材・設備データを配置して確認する「空間配置シミュレーション」です。シミュレーションの結果はＰＤＦやエクセルで出力するなど、様々な活用ができます。

――便利な機能がそろっていますね。利用者数も増えているそうですね。

　現在、約1万2000人の方が無料会員登録をしています。その8割は、私どものCADであるアーキトレンドのユーザーですが、ユーザーでない方々も2割ほど、お使いいただいています。無料で利用できるメニューが多くありますので、ぜひ利用していただきたいと思います。

建材・設備の3Dデータを公開

営業マンの業務軽減

――3Dカタログサイトに付随した新しいサービスも展開しています。

　福井コンピュータアーキテクトのバーチャル空間体感システム「ARCHITREND VR」と、「3Dカタログ.com」と連携させることで、住宅プランのVR（バーチャルリアリティ）体験ができます。マウントヘッドディスプレーを装着すると、キッチン周りの高さやスペース、リビングなど目線の違いによる空間の広がりを3次元で体感できます。住まいの3Dシミュレーションを実現する新サービスを今後も展開していきます。

――ITによる住宅業界の業務効率化の推進にも取り組んでおられます。

　今年10月に発売した「Roomo3D（ルーモスリーディー）」は、リフォームプランなどの提案に必要な資料を短時間で作成できる「3Dカタログ.com」専用の住宅プレゼンソフトです。間取り入力と同時に3Dモデルが作成されて、数分程度で1棟分のモデリングが完成する抜群の操作性を実現しています。使用建材が自動でレイアウトされるプレゼンボード作成機能も装備しています。

――リフォーム営業マンが、簡単にプレゼンの資料を作成できそうですね。

　水まわりや外装のリフォームイメージ提案の場合など、「3Dカタログ.com」のサンプルプランデータを丸ごとダウンロードできるの
で、スピード提案を実現。プラン作成と同時に見積提示が可能となる「営業見積」もオプションで発売します。CADを操作しなくてもプレゼンができ、営業の業務効率化に役立てると思います。

本社　＊　福井県坂井市　／　設立　＊　2015年12月　／　従業員数　＊　32人（2016年4月現在）