平成建設×共栄ホームズ、「強い組織」「リフォーム戦略」を語る
平成建設 秋元久雄社長
《会社概要》
会社名 : 平成建設
所在地 : 静岡県沼津市
資本金 : 9000万円
従業員数 : 575人
年商 : 140億円
共栄ホームズ 武田安弘社長
《会社概要》
会社名 : 共栄ホームズ
所在地 : 富山県富山市
資本金 : 5000万円
従業員数 :14人
年商 :14億円
強い組織をつくるために、経営者は何をすべきか。大卒社員を大工として雇用することで有名な平成建設(静岡県沼津市)の秋元久雄社長と、古民家再生リフォームの有力事業者共栄ホームズ(富山県富山市)の武田安弘社長。ベターライフリフォーム協会に加盟している両社のトップが組織づくりの工夫などについて語り合った。
武田 部長級の人事は、部下の社員の投票で決まるとお聞きしました。
秋元 下から選ぶのは、理にかなっているでしょ。部下が選ぶのも、特定の社員じゃなくて、その部署の全員で選ぶ。それで一番票の多い社員が部長になる。
武田 そういうのはどのくらいの頻度であるんでしょうか。
秋元 毎年やらなきゃ意味ないでしょう。でもある程度の規模にならないとやらない方が良い。
昔私が別の会社に勤めていた時、ある役員会議で、課長以下全部役職を清算しようとなった。本来やるべき仕事をしていない課長がいたから。それに部下のいない課長がゴロゴロいるのよ。そこで私は「ところでさ、我々も選び直さないか。我々は社長によって選ばれたんだけど、もう一度それをやったら意味ない。当然部下に選ばせよう」と言った。なんでこういうことを言ったかというと、こうやって優秀な幹部を育てないと、社員を増やすのは難しいから。
社員50人くらいまでは、社長1人でも能力あればできる。でもその後、100人の壁が来る。そうすると、ある程度できる幹部がいないとまとまらない。10人ぐらい束ねるやつが、10人ぐらいいないと。
武田 続けられないでしょうね、そうしないと。
秋元 だから有能なやつが育たないっていうこと。当然100人の後には、300人の壁が来るんですよ。
3億、10億、100億と、売り上げを増やしていくのって、社員数の問題ですよね。もちろん業種によって、必要な数は違うけど。製造業なら、付加価値が高いから1人当たりの売り上げは少ないけど利益率が良いわけですよね。でも我々の業種っていうのは、付加価値数が低い。ヘタしたら小売りよりひどいですよ。製造業になれていない。
製造業がやれてるのはハウスメーカーの工業化住宅やってる所のみですよね。あとはコーディネーターによるものなんですよ。だから悪く言わせれば、新築とかリフォームって、ピンハネ業、調整業やな。付加価値が低い上に、なり手が少ない。これは全国的問題ですよね。3Kとか5Kとか10Kとか、昔はきつくても、給料もそれほど悪くなかったから成り手があったんだけど、今その夢がないでしょう。そこが一番問題ですよね。だから50、60歳になっても、職人さんに辞めてもらうわけにいかない。だから一生、耐用年数を使い切るまで皆で使ってるんですよ。
新しく育ててないから、ただ消耗している。だから職人の分捕り合戦やってるだけなんですよ。
武田 その先を考えていないということですね。でも全然考えていません。ただ場当たり的に仕事を取る競争をしているだけ。現状はお客さん含めて、誰も困らないからですかね。でもこういう使い潰しの状況が続くっていうことは、自分たちの首を絞めてるってことですね。
費用対効果の高い改修事業
武田 今の年商は大体160億円で、リフォームが15億円くらいですよね。10年後にはリフォーム比率を20%、20 年には40%と拡大するとお聞きしているんですが、それは新築が減ってくるからですか。
秋元 そんなことない、費用対効果ですよ。ウチにとっての一番費用対効果が高いものが、売り上げの中心にある方が望ましい。
武田 そうするとリフォームの利益率っていうとかなり高いということですか。
秋元 営業していないんですよ。向こうからお客さんが来るから。
武田 紹介がほとんどということですね。

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