日本ホームステージング協会 杉之原冨士子 代表理事
「ホームステージング」に熱視線
中古住宅を魅力的にコーディネートして「買いたい!」と思わせるためのテクニック「ホームステージング」が広まりつつある。そのような技術を持つ人材を育てるための資格事業を手掛けているのが日本ホームステージング協会(東京都江東区)だ。同協会が運営する「ホームステージャー」の資格取得者が3月末で1000人を超えた。2015年2月にスタートして以来、人気を集めている。なぜなのか、杉之原冨士子代表理事に聞いた。
地方からも「来てほしい」の声
――なぜ増加しているのでしょうか。
今まで東京がほとんどでしたが、大阪、名古屋、福岡、仙台、北海道といった地域で講座をしてきたからですね。オファーが増えたためです。そして法人会員になっていただくことが条件になりますが、企業から社員向けに講座を開催してほしいという要望も増え、出向きましたので、一回で何十人と増えることもありました。
――講座ではどんなことが学べるのでしょう。
2級はホームステージングの基礎を教えます。片付け・掃除、それとインテリアも。実は片付け・掃除も大事でホームステージングは家具を設置するだけではありません。在宅で家を売る場合は、片付け、掃除をしないと、「汚いわね」となってしまいます。どう掃除をするのか、簡単にする方法はどうすればいいのか、といったことも学ぶ必要があります。
――「ここは奇麗にしないと中古住宅は売れない」という場所はありますか。
水まわりは必ずです。例えば蛇口は普段は水拭きだけど、仕上げ磨きをして曇りをピカピカにするだけでも、すごくいい印象です。そして、玄関も絶対に重要です。もう女性ならドアノブから見ますよ。汚くないかなと。そして玄関に物を置いてしまってはいけない。もうそこでがっかり。この時点で買おうか買わないか決まってしまいます。
――見た目が大事なわけですね。
例えば奇麗にして、素敵なお花が飾ってあるとかでもいいんです。少しずつポイントを挙げて他の物件との比較に勝つ。ステージングは難しいことではないんです。
――なんとなく売り主自身でもできそうなことですが。
意外と売る人は自分の家を売るときに、自分の家の良さをどう伝えたらいいのか分からないものなんです。そこをホームステージャーが見つけてコーディネートしていく。そしてフォーカルポイントというのですが、見てほしい、目が行ってほしいという場を作ったりすることも大事です。少し印象的な照明を置いてみたり、「ここに注目して」というようなことを演出するんです。
本場アメリカは保険もある
――希望者はどんな人が多いのでしょう。

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