・リノベるは、売上高前年比17%増の49億円と着実に業績を伸ばしている
・ウェブサイト運営に力を入れることで、年間600件弱もの受注を獲得
リノベる 山下智弘 社長
課題は社員教育
中古マンションのリノベーションビジネスで急成長しているのがリノベる(東京都渋谷区)だ。8期目である2018年3月期決算は売上高は前期比17%増の49億円。リノベ工事件数は12%増の588件と着実に業績を伸ばしてきている。ウェブサイトを多数展開する独自の集客術やテクノロジーを活用した業務効率化を推進。年1000件のリノベ工事を狙う戦略を山下智弘社長に聞いた。
ウェブからリアルへ
――1件のリノベーション単価は1000万円弱で、それを年間600件弱も受注している。それだけ注文を集められる理由は何でしょう。
オンラインとオフラインをつなぐという考え方をしています。オンラインというのはウェブサイトのことで、これを10サイト近く運営しています(ユニークユーザーは月間約20万、PVは45万)。メーンのサイトはもちろんなのですが、例えば、東京の蔵前という地域に店舗を出す前に「蔵前百計」というようなオウンドメディアを立ち上げて、その街で住むことの魅力を伝えて人を集める。同じテーマで「吉祥寺ズム」というサイトもあります。
全部のサイトを合わせたユニークユーザー数はリノベ業界では圧倒的な数。そして、この方たちに「オフライン」である全国35のショールームに来てもらうんです。
――サイトにはセミナー、相談会、見学会などのイベントが載っています。このようなリアルな対面の場を作っていくと。受注件数は今後どれくらい増えていきそうですか。
3年後には1000件が計画です。ただし、まだ十分な体制ではない、と思う部分があります。だから数を増やしたいが、ブレーキをかけながら、という感じでもあります。というのは大型工事がほとんどなので、例えば施工期間が延びてしまったり、コストコントロールが難しくなったり、品質が良くなかったり、満足度が落ちてしまうということもあるんです。だから、しっかり社員の教育をしつつ、数を増やしていきたい。
――新卒社員も多くいます。リノベはベテランでも難易度が高い。教育は欠かせません。

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