菊川工業 宇津野嘉彦 社長
オーダーメイドの金属加工や施工を行う菊川工業(東京都墨田区)は、昨年創業85周年を迎えた。その中で、2020年以降に向けて事業多角化、改修事業への取り組みを強化する。宇津野嘉彦社長が語った。
プレスリリースで問い合わせ増
――前期の売上高と、各部門の売り上げの割合はどれくらいですか。
前期44億円を見込み、新築8割で改修2割。オーダー金属製品の比率が90%以上です。改修部門のプロジェクト統括3部は2億3000万円で、今期は5億円を目指します。
これまではオーダー金属製品だけを手掛け、大手設計事務所やスーパーゼネコンがメインのお客さん。商品も、昔は職人の手技で作っていました。でも今は、BIMや3DCADは当たり前に使用する時代。現在は、職人と機械を上手く使って製品を制作します。
――金属デザインで意識していることは何でしょう。
お客さんが求める価格帯でデザインし、独自商品性を目指します。
例えば、スペインのノーマン・フォスター財団のパビリオンを手掛けたときのことです。鏡面天井に点検口などの枠があると、雰囲気が台無しになる。お客さんからは「天井の目地をできるだけ見えないようにし、18カ所ある点検口は鍵穴なしで」との要望がありました。
その要望に応えるため、2ミリメートルの細目地を採用。また、点検口には新たに考案した開閉ロック機構(特許出願中)を採用して鍵穴をなくし、目立たせなくしました。
1つのデザインを汎用化すれば、改修時に採用してもらえ、設計者のヒントになります。
ノーマン・フォスター財団の施設「パビリオン」
――商品の独自性が高いということは、価格も高いですね。

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