白神商事 白神康一郎 社長
岡山の屋根材販売店、白神商事(岡山県岡山市)が手がけるウェブ事業が注目を集めている。ユーザーと屋根専門の工事会社のマッチングサイト「やねいろは」の登録社数は300社に到達。年内に500社の登録を目指す。屋根材販売を生業としながらも、なぜマッチングサイトの運営を始めたのか。
【聞き手/芦原拓】
職人とユーザーを結ぶ「やねいろは」
――母体は屋根材販売店ですよね。
70年前はセメント瓦用の離型剤や塗料を売る町工場です。それから20年ほど経ち、高度経済成長により、陶器瓦の製造の自動化が進んで、陶器瓦の販売店になりました。
その後、カラーベストや板金などの屋根材を取り扱うようになり、今はサイディングなどの壁材も売っています。取引先は地元の瓦屋、板金屋、塗装屋など150~200社くらいで年商は約3億円です。
――社長ご自身は野村証券に勤めるなど、変わった経歴ですね。東京大学の大学院まで卒業している。
早稲田大学理工学部で資源について学び、卒業後に東京大学の大学院ではコンクリートの靱性の研究をしました。コンクリートに繊維を入れると、粘りが出て壊れるのがゆっくりになる、というようなマニアックな研究です。
その後、野村證券に入社し1、2年目は法人営業をして、その後の3年間はM&Aのアドバイサーに。5年間勤めたあとに家業を継ぐことを決めました。現在、3代目の社長です。
――工事店とユーザーのマッチングサイトを運営しています。販売店では珍しい取り組みです。
2016年に開始した屋根工事専門の「やねいろは」に加えて、昨年、壁工事専門の「かべいろは」の運営を開始し、登録社数は増えています。リフォーム業界はまだまだローテクで、ユーザーに向けて可視化されていない部分が多いと感じていました。例えば職人さんの顔が見えにくいこともそのひとつですので、登録できる業者は職人を社員として雇っていることを前提としています。多くの業者がユーザーから直接、受注することで、社員として雇われる職人が増えればいいと思っています。
――業者の数は。

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