JIBUN HAUS. 内堀雄平 社長
スマホで家を買うという選択
規格住宅を開発・販売するJIBUN HAUS.(東京都港区)。VR等のテクノロジーを活用し、スマホひとつでユーザー自身が家づくりを進められるFCネットワークは、3月末時点で134店舗が加盟。斬新なコラボ企画や新サービスを次々と打ち出す内堀雄平社長に、ネットワークの概要や今後の展開について聞いた。
スマホで間取りまで決める
――住宅FC・VC事業「ジブンハウス」の特徴を改めてお聞かせください。
土地探しから家づくりまでのプロセスを、ARやVRといったテクノロジーの力で可視化し、ユーザーが「自分らしい住まい」を作れるようサポートします。
家を買うときって、選択の幅が広すぎたり、打ち合わせ回数がかさむことから、ハウスメーカーや工務店のおすすめを受け入れるケースが多い。また、見積もりも何パターンも聞くのは気が引けるものです。そうしたクローズドな部分を見直し、家づくりのプロセスを圧倒的にわかりやすくしました。
――車をメーカーサイトで選ぶようにスマホで家を買う「スマートカスタム住宅」などですね。
はい。デザイン選びからVR内見、間取り、オプション、見積もりまでをスマホで完結できるので、空き時間にご家族で、納得がいくまでシミュレーションできます。ポイントは、価格の明確化と、VRでイメージをよりわかりやすく伝えられること。実現可能な自分らしい暮らしを見つけてから問い合わせてきてくれるので、その後の打ち合わせもスムーズです。
知識がないユーザーでも簡単に家選びができる時代に
テクノロジーとデザインで差別化
――「ジブンハウス」を直営ではなくFC化した理由は?
僕の家はもともと工務店だったのですが、僕が中学生の時に倒産したんです。その後、父は失敗からの経験を生かしてコンサル事業を始めたのですが、クライアントになってくれたのは地元の工務店の方々。だから僕の中には、地域に根付いている工務店さんに恩返しをしたい気持ちがずっとありました。また、地域密着店が元気になれば、その先のお客様も元気になるはず。そうした思いから全国ネットワークを展開しました。
――加盟店が134店舗と伸びています。加盟された方が特にメリットを感じられているのはどういったところでしょう。
大きく3つあります。1つはブランド力向上。テクノロジー系のツールや、デザイン性の高い商品は、地域の中での差別化を後押ししますので、集客力・成約率アップにつながります。
2つ目は、注文住宅がメインの会社さんにとっては、低価格の商品をランナップに加えられる点です。30代などの若い層のお客様に刺さるデザインも豊富なので、アプローチの幅が広がります。
3つ目は、「これからの家探し」という時流とのマッチです。コロナ禍以降、スマホでユーザー自身が家を選ぶという買い方が、一つのスタンダードになってきましたから。
――加盟すると、どれくらいの受注が見込めるのでしょうか。
会社ごとの課題感によってまちまちですが、僕たちがベースにしているのは年間最低3棟です。規模の大きな会社さんだと、年間20棟くらいは受注されていますね。「WARP HOME(ワープホーム)」という、建ぺい率や容積率、斜線制限をクリアした土地と建物を自動的にマッチングするツールがあるので、不動産を扱っている会社さんとは特に相性がいいと思います。
――今後の展開をお聞かせください。
今スタートしているのは、「JIBUN STORE」という内見VRと連動したインテリアECサイト。VR画面上に映ったグッズをクリックすれば、そのまま購入できる仕組みです。規格住宅はサイズ感があらかじめわかっているので、空間に合ったアイテムをレコメンドしやすい。その強みを生かしました。
あとは、いろいろな理想の暮らしに対応できるように、商品やプラン数を増やしていく予定です。現在の商品シリーズは10個で、プラン数は230。ひとまず3月には、北海道用に作った寒冷地仕様の商品をリモデルし、全国版としてリリースしました。今後も、デジタルとオフラインの強みを融合させながら、「自分らしい」暮らしづくりをサポートしていきたいと思います。

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