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おうちカンパニー、住まいの「困った」の駆け込み寺

おうちカンパニー
戸谷信彦 社長
1510(2022/06/27発行)15面
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おうちカンパニー 戸谷信彦 社長

おうちカンパニー 戸谷信彦 社長

「おうちのクリニック」全国展開へ

おうちカンパニー(東京都千代田区)は、住まいや暮らしの相談窓口「おうちのクリニック」を展開。7月からFC展開を本格始動し、住宅の修理・点検、暮らしのサービスなどを提供。住まいの相談をどこに依頼していいかわからないユーザーの駆け込み寺を全国に拡大していく方針だ。戸谷信彦社長に事業の方向性を聞いた。

工務店とユーザーのハブに

――住まいの困りごとをどこに頼んでいいかわからないユーザーが多い。そうした意味で「おうちのクリニック」は面白い事業ですね。はじめたきっかけはなんでしょう。

工務店は引き渡し後の点検や訪問時にクレームを言われてしまったり、そもそもアフター担当者がいなかったりします。リフォームなどで売上を作れないこともあり、アフターサービスには消極的です。一方、エンドユーザーは施工店と何年も連絡を取っておらず、ちょっとした住宅の修理を相談する先がありません。また、どうやってリフォーム会社を選べばいいかもわかっていません。住宅を引き渡すと工務店とユーザーの接点は切れてしまう。ここにニーズがあると気づきました。

――確かに、プロ側とユーザー側の考えに溝があるのは感じます。

新築着工棟数は年々減少傾向ですが、定期点検のアウトソーシングは増えています。安定した仕事がほしい、事業の幅を広げたい、継続的な顧客との接点がほしい、地域に喜ばれる仕事がしたい。このように考えている工務店やリフォーム会社、建材問屋、保険代理店に対して、地域での集客戦略として「おうちのクリニック」の加盟を提案しています。

――具体的に加盟企業にどんなサービスを提供するのですか。

(1)顧客専用アプリの利用によって近隣住民と接点を作り、さまざまなサービスを提供できる、(2)ミニ修繕の技術を研修で習得できる、(3)自社で集客用イベントが開催できる、(4)営業ツールや店舗デザイン、チラシ作成のためのデータが利用できる、(5)健康、災害、省エネに関する商材も取り扱える、(6)スキルアップ研修を受講できる。以上、6つの特典を用意しています。

月5、6件が案件化

おうちカンパニー リアル店舗を全国に拡大予定リアル店舗を全国に拡大予定

――店舗オープン後、実際にどのような実績が見込めますか。

既に動き出している上尾店は、本業が保険会社です。火災保険の任期満了時にリフォーム案内のチラシを顧客に送付し、リフォームの受注を目指しています。1カ月で5~6件は案件化しています。市原店は住宅会社です。リフォーム案内チラシを作成し、集客用イベントを定期的に開催することでリフォーム受注が増えてきました。網戸張り替えセミナーやウッドリペアセミナーといった住宅のメンテナンスや補修に関するものから、アロマセミナーやフォト撮影会など女性や子供向けまで、さまざまなイベントを開催しています。

――どのくらいの売上が見込めますか。

自社の事業があるので「おうちのクリニック」だけの売上ではありませんが、市原店は前期リフォーム中心に売上目標が1億2000万円で粗利3000万円でしたが、実績として売上1億5500万円、粗利3800万円となり、達成率は128%でした。

――集客はイベントが中心ですか。

市原店は家を建てた人向けのイベントを開催していきますが、DIYのメンテナンススクールを開催して会員化することも考えています。築2~5年、10~15年、それ以上と大きく3つに分けて集客していく予定です。なかでも、築浅で工務店との関係が薄くなった人にニーズがあると見ています。

点検の技術を実習で学ぶ

――加盟からどんな流れで店舗をオープンするのですか。

加盟申込、締結、導入研修、店作りを経て開店となります。研修会場は今年8月、群馬県太田市にオープン予定です。点検実技実習棟と補修実技実習棟があり、ここを太田店として直営本部にします。加盟金は60万円、月会費は2万5000円(アプリ使用料)です。2022年5月現在、長野店、上尾店、市原店、横浜店がオープンしています。このほか、宇都宮、袖ヶ浦、富士、みよし、大阪が準備中です。

――最後に、今後の展望を教えてください。

アフターメンテナンスのニーズは、今後さらに増加するでしょう。「おうちのクリニック」を活用することでOB客だけでなく、新たにエンドユーザーと接点を作ってリフォーム受注を獲得することができます。将来的には加盟2000社を目指し、地域に密着した住宅に関するかかりつけ医のような存在になりたいと考えています。

(報道部長 福田善紀)

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