オンラインセミナー「ドラマ『魔法のリノベ』 原作者&監修者が語る理想のリノベーション」リポート
施主を知り魔法をかける
家族が持つ「魔物」をプランへ
本紙は9月6日、オンラインセミナー「ドラマ『魔法のリノベ』原作者&監修者が語る理想のリノベーション」を開催した。このセミナーでは、ドラマ「魔法のリノベ」の原作者である漫画家・星崎真紀氏とドラマの監修を務めたリフォームコンパスの西尾肇代表が登壇。漫画誕生の経緯をはじめ、リフォーム営業マンのあるべき姿や理想のリノベーションについて語られた。約300人が参加した同セミナーの内容をリポートする。
漫画「魔法のリノベ」とは?
「まるふく工務店」を舞台に、営業ウーマンの真行寺小梅が家のリノベーションを通して、各家庭の抱える問題も解決していくお仕事漫画。2022年7月期にテレビドラマ化された。10月17日には5巻が発売される。
漫画誕生は「リフォーム営業マンはおもしろい」から
――まずは星崎先生、なぜリノベーションを題材にした漫画を描こうと思ったのですか。
星崎氏 私の家をリフォームしたときに3件くらい相見積もりをしたのですが、営業マンの方の営業トークや出てくるプランがそれぞれ違って、その差がおもしろくて。リフォームの営業マンの仕事っておもしろいなと思ったことがきっかけでした。
――作中にはさまざまなリノベーションのビフォーアフターが出てきますが、どのようにプランを作っているのでしょう。
星崎氏 ビフォーの物件を考えるところから始まって、そこに住む人の持っている問題に合わせて、それをどうリノベーションするかを考えます。アフターを決めた段階で、プランはかっこいいけれど耐震性が悪いなど不都合が出てくるので、ビフォーとアフターを行ったり来たりします。
私はリノベーションの仕事をしたことはないので、設計士さんに私が描いた図面を見ていただいて、実際に可能かどうか確認してもらっています。
――その家に住む施主のエピソードもさまざまですが、どうやって考えているのですか。
星崎氏 間取り図を描いていると自然と出てくるんですよ。ビフォーの間取り図を考えているときは、わざと不便に考えていく。こういうところで困っていただろうな、揉めたりするだろうなと考えていると、そこに住んでいる人たちがぼーっと浮かんでくるんです。
ストーリーを考える前に、例えば、減築が人気らしいとかキーワードを決めます。次に減築を頼んでくるってどんな人なのかなというところから考え始め、子育てを卒業したご夫妻なんだろうな、ただ減築して便利になりたいというだけじゃないだろうなと、夫婦の今までの歴史も合わせて考えていきます。
西尾氏 星崎先生のやっていることは、リノベ営業の真髄ですよね。お客様が要望されたことに対して、なぜその要望に至ったのか、どんな時に不便でどんな時に不満なのか、その家族が持っている「魔物」みたいなものを引き出すことができると、プランに反映できます。
小梅になりきって施主が驚くプレゼンを描く
――主人公・小梅の営業トークやプレゼンはどのように描いているのですか。

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