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レジリエンスウレア協会、ポリウレアの協会設立

レジリエンスウレア協会、ポリウレアの協会設立

レジリエンスウレア協会
松川幸弘 代表理事
1548号(2023/04/10発行)15面
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アメリカ軍の装甲車外装部分や弾薬庫として開発され、圧倒的な防水性や耐候性に優れたコーティング剤・ポリウレア樹脂。このほど、従来のポリウレア樹脂の概念を覆すクリヤーの「レジリエンスウレア」が開発され、屋根や外壁工事をはじめ、あらゆる場面での活用が期待されている。同塗装材の正しい工法レクチャーと幅広い普及を目的として、6月にレジリエンスウレア協会が設立される。松川幸弘代表理事に、塗装材の特徴や協会設立の意義、今後の展望について聞いた。

圧倒的高耐久素材を本格普及

従来ポリウレアより強力な塗装材

レジリエンスウレア協会 松川幸弘代表理事松川幸弘代表理事

──高い防水性や摩耗性から海外で普及が進むポリウレア樹脂ですが、日本ではあまり知られていないようですね。

ポリウレア樹脂はもともとコンクリートやタイルの白濁防止に使うもので、工業界はその用途にだけ使っています。「レジリエンスウレア」は、そのスペックを改良して、戸建てや一般建築物、サイディングボードなど、あらゆる建材に使えます。塗布することで、台風などの際に壊れても破片が飛び散らないといった利点があります。

──今回、レジリエンスウレアシステムという工法を開発されましたが、どういったものでしょうか。

レジリエンスウレアは、イソシアネートとアミンの反応スピードを制御する技術で、従来2液化だったものの1液化を実現することに成功しました。これにより、ローラーによる施工が可能となり、従来のポリウレア樹脂と比べ格段に施工性が向上しました。

1液で普通のローラーで施工して、14時間くらいすると固化します。今まではイソシアネートとアミンが、専用の機械を通った出口で一つに重なった時に反応を起こす仕組みでしたが、空気で触れるだけで反応することに成功しました。

──従来のポリウレアと性能は変わらないのですか。

従来より格段に性能が高いと思います。講習を受ければ職人も施工できますが、膜の厚みが重要なので、そこの管理を教える必要があります。下塗り専用のプライマーがあって、その後にウレア樹脂を2回塗ります。それほど傷んでいないところは1回塗りでも良いですし、部材によって使い分けできる。あと、無色透明なのが画期的です。プライマーも、透明と好きな色に調色できるものもあります。

施工には協会加盟とライセンスが必須

──講習を受けた業者は認定され、施工が可能になるのですね。

発売元のPLジャパンと協会の連名で保証書を出します。PLの役割は製品保証、協会は工法のレクチャーになります。電磁膜厚計は4、5万円のものを買ってもらう必要があります。20年保証を出す予定ですが、今のところ、20年の塗膜保証をしているところは他にありません。ポリウレアは少し高いですが、30年、40年と保つものなので、費用対効果では確実にお得です。

大まかな費用は、戸建ての塗り替えであれば、外壁だけなら従来ポリウレアの150万円に材料費でプラス15万円、そこに利益を加えて20万〜30万円プラスになります。

──すでに、レジリエンスウレアを用いた施工はされているのでしょうか。

すでにエンドユーザーの物件で施工されています。膜厚がモチっと厚いので喜ばれています。外壁だと300%塗膜が伸びて切れません。従来はコーキングの上に塗膜を塗った場合、シーリング材の上の塗膜の切れは免責が通常ですが、ここも保証対象にする予定です。

いろいろなシーリング材のメーカーと相性の実験をしまして、手の届く価格の2社を選定しています。シーリングの上も10年保証を出そうかと検討しています。

幅広い用途から交流へ

──協会を設立したねらいを教えてください。

外壁市場だけではなく、さまざまな業種や会社のもつ製品にポリウレアを塗ることで、違う商品に生まれ変わるような、裾野の広いマーケットが得られると思います。こうしたすぐれた塗装材を活用して、建築業界だけでは知り合えない会員同士のつながりを築きながら新たな展開を作れたらと考えました。外壁だけでなく、木やフローリング、プラスチックなどにも普及していくことも目指しています。

──協会に加盟して施工できればメリットも大きいですね。

協会の責任施工の依頼も受けていますが、塗装会社が加盟すると、自分たちで施工することもできます。すでに事前の会員募集をしており、協会に入ってもらえれば、そこで技術講習のライセンスを発行して長期保証を出します。

独自性のある商品ラインナップ提案が可能になりますし、たとえばカバー工法だとどうしても屋根に傷がついてしまいますが、ウレアを塗ることでそれも防げる。いわばラップで包むようなイメージです。そういった用法をすることで、他のカバー工法のメーカーとも差別化を図れます。

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