東北カナメ 廣中聡社長

本社 * 宮城県仙台市 / 創業 * 1941年 / 設立 * 1990年 / 資本金 * 5000万円 / 代表 * 廣中聡 / 社員数 * 約100名(パート含む)
リフォーム売上高 * 約10億円(その他に社寺建築事業を展開し売上高は3~4億円)
リフォーム営業拠点 * 仙台支店(宮城県仙台市)、大崎支店(宮城県大崎市)、石巻営業所(宮城県石巻市)、仙南営業所(宮城県柴田郡)、岩手支店(岩手県北上市)、山形支店(山形県山形市)、札幌支店(北海道札幌市)※札幌支店は社寺建築事業が中心
宮城、岩手、山形の3県でリフォーム事業を展開する東北カナメ(本社:宮城県仙台市)。リフォーム売上高は10億円を超え、東北でもトップレベルの実績を持つ。強みは地域住民の"悩み相談役"を担う女性パートスタッフの活躍にある。営業戦略について廣中聡社長に聞いた。
月3億円の見積もり依頼
―――毎年コンスタントに10億円以上のリフォーム売上高を達成している御社は東北エリア全体を見てもトップレベルの実績を誇っています。特徴はいろいろあると思いますが、その中でも一番の強みはなんですか。
36名いる女性パートさんの活躍です。今私の会社は全体で100名の社員がいて、そのうち女性が約4割。男性が中心の営業マンは3割ですのでそれよりも多いんですよ。
―――パートのみなさんはどのような活動をしているのですか。
女性のみなさんがそれぞれの地域のお客さんの家にお伺いして一件一件、住まいの悩みの聞き込みをしていき、見積もり依頼があれば営業担当にバトンタッチするという流れで営業を行います。パートさん1人で1カ月に500~1000万円ほどの見積もり案件を上げてきていますので、全体で言うと月間3億円近くの見込みがきます。
―――そのうち実際に成約する割合はどれくらいですか。
成約率は3~4割ですので月商は1億円くらいになります。原始的なやり方に見えますが、私はこの方法が集客の根本的な方法だと思っていて、もう20年近く前からやっています。もちろんチラシ、ウェブ、タウンページなどもやっていますが、この方法が一番適しています。
―――女性がポイントなわけですか。
女性は家事や暮らしについて意識が高い。家を購入する際にも女性の決定権が強い。だからリフォームについてお客さんと会話をするのも女性の方が適していると思っています。それは男性がお伺いするよりもお客さんの心理的なバリアがないような気がします。ゆくゆくは女性の職人さんを育成したいと考えてもいますよ。
―――具体的にはどのような仕組みで各家庭のリフォームニーズを掘り起こしていくのですか。
全部で6事業所(宮城4、山形1、岩手1)あるのですが、1事業所内に3~4のパートチームがあります。1チームに1人リーダーがいて、そこに住まいの悩みをヒアリングする情報収集担当が1~3名いるという体制。チームごとに商圏を割り当てます。継続してお客さんをフォローしていくために1年はエリアを同じままにして変えないようにしています。
―――1チームどれくらいの住宅を対象にしているのですか。
およそ2万世帯でひと月に1000世帯くらいをカバーするというイメージです。都内ですと在宅率が50%を切るところも多いかと思いますが、私たちのエリアでは70~80%くらいなんですね。それと東北では人との結びつきというものを大切にする気持ちがあるので、継続してフォローしていると知り合いになって依頼が来たりします。
―――どのようなことをヒアリングするのですか。
まずチームリーダーがパートさんに今提案したほうが良いリフォームの内容について解説します。季節性のある商品などですね。それがお客さんとの話の入り口になります。基本的にはその商品説明をして、世間話も含めて会話をして、お客さんの住まいの悩み事、希望するリフォームの内容、予算、リフォームをする場合の希望時期、決定権のある人などをヒアリングします。リフォームしたい気持ちがある人に対しては営業担当に引き継ぎ、現地調査、見積もりを行うという流れです。

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