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2期連続で前年度比売上げ30%増を達成

2期連続で前年度比売上げ30%増を達成

大建建設
高橋秀彰 社長
1047号 (2012/11/06発行) 24面
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大建建設 高橋秀彰 社長

大建建設 高橋秀彰 社長


会社概要
設立 * 1968年5月20日 / 所在地 * 新潟県新潟市 / 資本金 * 3000万円 / 社員数 * 34名 (男性23名、女性11名)
売上高 * 8億5000万円 (リフォーム事業他、公共工事も含む)

7年前から新卒社員による組織作りに取り組んでいる大建建設(新潟県新潟市)は、2年連続前年度比30%増の売り上げを計上した。今期は5億円の壁を突破し、来期は6億7000万円以上の売上高を目指す。高橋秀彰社長に好調の理由を聞いた。

理念経営を推進

 ―――今期売り上げは5億円を超え、2期連続前年度比130%と順調に売り上げを伸ばしています。この成長を支えるものは何でしょうか。
東日本大震災後、「がんばろう日本」ということで国民が1つの方向性を向いたじゃないですか。スローガンや目標はすごく大事だと思います。最初の頃は新潟で一番になろうと進めていて、手帳にもその目標は書いてありますが、それはあくまで手段ですよね。「良い会社だね、頼んでよかったよ」と、誰が担当してもお客様に言ってもらえる会社を目指した先に、みんなの幸せもあるのじゃないかと。その具体的な方策として2年前から手帳型の経営計画書と業務マニュアルを作り、良い会社になるためにはどうしたらいいかのベクトルを社内で合わせる活動を始めました。

 ―――ただ、経営理念を作っても社員に浸透させるのは大変でしょう。
はい。経営計画書だけを作っても見てくれないですよ(笑)。そこで、例えば日付の9月7日のところを見るとKの43と書かれていますよね。つまり、この日に経営計画書の43ページに書いてある販売に関する方針を読むということが決まっています。

 ―――すべての日でどのページを読むかがスケジューリングされているのですね。
そうです。毎朝、担当の社員が読んだあとに感想を言い、それに対し部門長がコメントする流れです。重要なのは毎日継続することです。1ヵ月に2時間の勉強会をやるよりも、15分~20分の朝礼を毎日やる。一朝一夕にはいきませんが、こうした活動が会社をまとめる力になっていることは間違いないです。利益が大事だと言っても、なぜ大事なのか伝えないと納得しないですよね。

 ―――内容は定期的に更新しているのですか。
年1回経営計画発表会で更新した内容を発表しています。経営計画書には今後の売り上げなども書かれていまして、例えば2027年にはリフォームで売り上げ30億円、県下6店舗、県外4店舗まで出店する計画が掲載されています。一方、業務マニュアルは会議の資料はどこに入っていて、いつまで提出するかということや電話の受け答えのし方など、業務方法についての内容ですね。

 ―――この仕組みを導入してから社員の意識が変わってきましたか。
手帳型にする前はA4タイプで作っていたのですが、当時は中途と新卒が入り混じっていてベクトルを合わせるのに苦労しました。ただ、今は完全に新卒が営業の中心でして、まっさらで入って来ていますから会社のビジョンに合わせて夢を語れるようになってきましたね。例えば県外進出のときに「僕が社長に任せたぞと言われる男になるぞ」とか。

大建建設
経営計画書と業務マニュアル

 ―――会社の方向性をはっきりと示したことで、離職率なども減っているのではないですか。
以前は年間4~5名入れ替わっていましたが、今は辞める人がいません。今年で新卒を採り始めて7期目なのですが、ようやくスタートラインに立った気持ちです。企画営業間接部門と営業部門の責任者がそれぞれ、32、33歳でして組織としては若いので、私自身とても楽しみです。

 ―――理念浸透のほかに組織を強化するための戦略として取り組んでいることはありますか。
経営計画書で書いてある大型工事の競争力、そして営業や施工力を強化するため、一級建築士による作図を専門とする部門を作りました。2017年にはデザインコンテストの受賞も計画に入れていますよ。

 ―――そんな計画まで掲載しているのですね。社員の変化は契約率などの数字にもつながっていそうですね。
そうですね。昨年の契約率が68.9%だったのに対し、今年は78.7%と約10%アップしています。これを見ると、力をつけてきたなと感じます。

消費税アップ対策に介護事業を

 ―――新たな試みとしては介護リフォームと福祉用具のレンタル事業をこの4月に始めましたね。
これは消費税アップに伴う対策です。増税後は需要が落ち込むと思いますが、それをカバーしていければと考えています。これから超高齢社会ですので、手すり1本の取り付けから困り事に対応していきたいですね。

 ―――ただ、介護リフォームは単価が低い上、ケアマネジャーとの連携が必要など成功までのハードルは高いと感じます。現状はいかがですか。
始めたばかりですが、手すり1本の工事でも信頼関係が構築できるので、外壁を見てくれないかなどと、他の工事への依頼が少しずつ出始めています。今は2名ですが、来年は新卒と中途を入れ、4名体制にする予定です。

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