アルファリンクス 小山猛士 社長
ターゲットはDINKS
―――中古仲介時のリフォーム提案を本格的に始めたそうですね。
いわゆるDINKSと呼ばれる、子供を持たない夫婦がターゲットなのですが、彼らがなぜ中古住宅を買いたいかというと、立地なのです。立地条件の悪い新築マンションと立地の良い中古マンションでしたら資産価値の面でも絶対中古ですよ。しかし築15年以上のマンションは間取りがウサギ小屋ですよね。昔のつくりですからしょうがないのですが、それをスケルトンにしてしまい、自由設計で提供する。そして、住宅とリフォームの費用を合わせてローンを1本化しますというのが、私どものビジネスモデルです。
―――戸建ての中古住宅は対象ではないのですか。
どうしてもタイアップしている不動産会社がマンションを仲介するケースが多いのでマンションが中心ですね。戸建て住宅の対応もしますが全体の2割ほどです。
―――ただ、不動産会社との連携はなかなか難しいものがあると思います。早く物件を販売したい不動産会社とキチンとプラン提案したいリフォーム会社の思惑が異なるので、その問題を解決できない場合が多いです。
そうですね。だからスピードが重要になります。でも見積もりをすぐに出すことは難しいので、リフォームをパッケージ化してあるのです。金額の異なる3パターンほどの提案書を出すのですが、65平米の2LDKか3LDKのスケルトンリフォームで590万円ほどです。
―――提案から契約までの期間も短いのですか。
お客様の都合にもよりますが、打ち合わせは基本的に2回です。遅くても3回目には契約にこぎつけます。
―――2回で契約とは早い。数百万円のリフォーム契約をするのによく、その打ち合わせ回数で収まりますね。
1回目の打ち合わせから準備を密にするということもありますが、内容をパッケージ化していることが大きいでしょうね。選べる部材も決まっていますので、2回目の打ち合わせで細かい部材選びなどもしてしまいます。
モデルルームは間接照明を多用し光の使い方を工夫
―――ではプランを決めるのに1ヵ月もかからないわけだ。でもスピードが速いだけでは仲介会社の利点にはなりませんよね。
だから、物件を買いに来た人の購買意欲を高めることも私どもの仕事だと思っています。そのためにリフォームの費用をすばやく提出すると共に、CG、パースでの完成イメージを見せられる形にしています。
―――なるほど、リフォーム後の具体的なイメージがわかれば、売れ残っていた物件も販売につながる可能性がありますから、仲介会社にとってもプラスでしょうね。
そう、今まで変な間取りの住宅も販売対象となるのです。売れない物件のお手伝いをするのが私どもの仕事だと思っています。立地が良いのにどうして残っているの、と疑問に思う住宅ってありますよね。それを不動産会社自らリフォームをする選択肢もありますが、どんな人が買うかわかりませんから、理想は買う人の好みに合わせたリフォームです。
―――仲介とリフォームを併せた金額はどのくらいになりますか。
立地条件などでかわりますが、2000万円から3000万円ほどが多いですね。まだ始めて数ヵ月ですが、このビジネスで月10件のリフォームはやりたいです。月5000万から6000万円、年間6~7億円が目標です。
―――仲介会社はどのようなところが多いですか。
大手の不動産仲介会社ですね。町の不動産会社ですと営業マンの給料が完全歩合制の場合が多いので、会社ではなく個人の数字があがるようなメリットを提供しないと連携が難しいですから。
―――しかし、最近多くの大手不動産仲介会社が、仲介時のリフォームを自社で獲得していこうと、リフォームの子会社を設立するなどの仕組み作りをしています。今後案件をまわしてもらうことが難しくならないでしょうか。
そうはいっても、私どもの提案が受け入れられる場合があると思います。直接元請けの依頼がくることは少ないでしょうが、マージンを払って受注する形などは考えられるでしょう。

本社 * 東京都練馬区

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