ジェイジェイエフ 志村保秀 社長
満足度追求、リピート・紹介受注が9割
滋賀県内5拠点でリフォーム、ガス、不動産事業を展開するジェイジェイエフグループ(滋賀県近江八幡市)。前期はリフォーム事業で5億3000万円を売り上げ、年間工事件数は1300件を超える。同社では2年前から、「のれん分け」による新体制での営業活動を展開しており、売り上げ・工事件数ともに増加している。志村保秀社長に営業戦略を聞いた。
営業マンの意欲を改革
―――母体はプロパンガス会社で志村社長は2代目だそうですね。ただし今は本社のある近江八幡市に3拠点、草津市、彦根市の拠点を合わせて5拠点でリフォーム事業も展開しており、その売上高は県内でもトップクラスです。ホームページにも大きく打ち出されていますが、顧客満足度を追求し、OBからのリピート・紹介による受注をベースにした経営を行っているそうですね。
前年度は年間1314件のリフォーム着工件数だったのですが、そのうち、リピートは1054件、紹介は113件でした。リピートと紹介を合わせると、工事件数の約9割になります。最近、工事件数も大きく伸びていて、前々期と比べて150%になっています。
―――リピート・紹介が受注の9割を占めるというのは、一般的なリフォーム会社に比べて高いです。
広告費もほとんど使わず、売り上げの1%あるかないか。結局、顧客満足度を追求してきた結果が出てきているんだと思います。今はリフォームで5億円くらいの売り上げがありますが、私はこれを6億、8億、10億というように急拡大しようとは思っていません。一気に拡大していくような経営をすることが、本当に顧客満足度の追求につながるのかなと考えた場合、どうも違うのではないかと思います。
―――どんな方法で顧客満足度を高め、リピートを促進しているのでしょうか。
2カ月に1回、「ヒーローインタビュー」という会社情報が載った小冊子をOBさんに配布したり、誕生日には花束を持ってお伺いしたり、クリスマスにはサンタの格好をしてプレゼントを渡したりと、いろいろ小手先なことはやっていますが、本質的なことは、「のれん分け」制度によって、社員の仕事に対する意識を変えたことです。ジェイジェイエフグループというのは、本体のジェイジェイエフという会社の他に、ジェイパートナーズ、ジェイプラス、ジェイジェイエフ彦根、ジェイジェイエフくさつ、という4つのグループ会社があります。これらの社長は、元々ジェイジェイエフにいた社員が自分の部下と独立してつくった会社なんです。
―――一般的なリフォーム会社の経営戦略では、わざわざ別会社にせず支店として各地域に店舗展開していきますが、なぜ独立させ、グループという組織にしているのでしょう。これが顧客満足度の追求につながるということでしょうか。
私は経営者をつくることが1つの夢で、2年前の50歳の時に4名を独立させ、社長にしました。それぞれの会社は2〜3名ですが、元部下を引き連れて独立しています。私は、社員のみんなに「この会社を辞めて独立するとなった場合、今の部下が独立後も付いてきてくれるように教育をしなさい」と言ってきました。そして「独立する時、部下も自分のお客さんも持っていっていい。その代わり、本当にあなたの会社に付いてきてくれるように顧客満足度を追求してくれ」と言いました。独立を視野に入れている社員は、必死に部下教育とお客さんの満足度を追求しなければなりませんから、それはもう本気になって仕事に取り組むわけです。結果として、工事件数が増えたり、リピート率が上がったりと、業績アップにつながったのは、そのように意識が変わったためだと考えています。
OBに配る小冊子には"リピーターの声"が数多く掲載されている

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