旭化成リフォーム「定価制LDKリフォー...

旭化成リフォーム　森田敏晴 社長

旭化成リフォーム（東京都新宿区）は2012年3月期の決算で売上高385億円、前年度対比１１・６％増、営業利益49億円、同対比３１・７％増という好成績を残した。今期は売上高４４３億円を計画。中期経営計画で打ち出した「２０１５年売上高５００億円」は射程圏内となった。今期の目標達成の方策と中長期的な戦略について、森田敏晴社長に聞いた。

昨年度太陽光発電の受注件数は3倍増

　―――昨年度の売上高は11.6％増となりましたが、好調だった要因はやはり太陽光発電ですよね。何棟販売したのですか。
昨年度は受注ベースで２１５２台でした。この数字は２０１０年度対比で約３倍です。これだけ受注できた要因は２つで、１つは、屋根防水工事とセットにして築20年前後の適齢期物件に営業を掛けたこと。そしてもう一つが、10年目未満のユーザーへの営業を強化したことです。当社の場合、築13年目以降の物件からリフォーム営業をしていましたので、築浅の物件は営業対象外でした。今回は、太陽光に限って10年未満のユーザーにもＤＭを送ってみました。その反響が意外に良かった。最終的な契約件数の30％弱くらいありました。

　―――今期の売り上げ計画は４４３億円、昨年度対比１５％増のだそうですが、やはり今年も太陽光が主力商品ですか。
注力する事業はいくつかありますが、太陽光発電はその一つです。今期は約２５００台を予定しております。さすがに今年も３倍増というわけにはいかないでしょう。したがって今期の太陽光発電の売上アップは昨年度ほどのインパクトにはならないと思います。最近は太陽光発電自体の単価も下落しています。

　―――太陽光頼みではないとなると、その他の戦略は。
一つが５００万円以上の大型改装の受注拡大です。前年度対比で３割アップの年間工事件数９００件を見込んでいます。工事の内容は太陽光発電と水まわり設備機器などの組合せ工事で、昨年度の実績で平均単価は９００万円でした。このクラスを増加させたいですね。

　―――しかし大型工事を受注するためには、パック商品など特別な提案が必要になってくると思いますが。
今回、定額制リフォーム商品を作りました。定額制「ＬＤＫリフォームパック」がそれです。これはＬＤＫ改装に必要な設備・解体・廃棄・搬入まですべての工事を盛り込んだ定額制リフォームです。基本料金は１５０～１７０万円（キッチンのタイプによって金額が異なる）にＬＤＫの改装範囲に応じて定額コストがかかる。例えばＬＤＫが16帖を超える場合は１帖あたり４・５万円。16帖までは１帖あたり５万円というルールです。これだけではなかなか分かりにくいので、暮らし方ごとにモデルプランを提示する形のチラシも作りました。

　―――全面改装商品の「リメイク」で定価制を採用されていましたが、それ以外でも定価制の幅を広げるということですね。その狙いはやはり営業スピードアップですか。
そうですね。これまでは個別にプランを作って、見積書を作成して、提案をしていました。中には何度も打ち合わせをして、最終段階で見積書を持参したら「こんなに高いとは思わなかった。もう一度検討する」と失注してしますケースがありました。であれば早々に目安となる金額をお知らせして、こういった事態を防ぐのも狙いです。

　―――昨年度の１棟全面丸ごと改修の「リメイク」の売れ行きはいかがでしたか。リメイクの発展型で子供世代の独立で一世帯化してしまった二世帯住宅の２階部分を、貸家やシェアハウスにリフォームするという商品をリリースされましたが、こちらの売れ行きは？
まずリメイクについては昨年度44件でした。今期は80件の工事件数を目標としています。ただ、二世帯再生リフォームについては現在、様子見です。というのも２階部分を共同住宅にすることで、避難通路の確保などの規制がかかってきます。実際、取り組んでみたものの行政の方で最後にストップがかかるといったケースが多いのが実情です。ただ二世帯再生というテーマは研究し続けていきます。

▲定額制「LDKリフォームパック」のチラシパンフレット

代表者　＊　森田 敏晴氏　／　資本金　＊　2.5億円 事業内容　＊　ヘーベルハウスのリフォーム工事　／　売上高　＊　16営業所 従業員数　＊　555名、うち営業担当288名　／　営業拠点　＊　３８５億円（2012年3月期）