チューオー 福邉恭治 社長
サイディング大手、ニチハの子会社として金属サイディング、屋根材を展開するのが、チューオー(栃木県宇都宮市)だ。昨年、同社代表取締役社長に就任した福邉恭治社長に新商品の売れ行き状況、震災後の受注環境などについて聞いた。
インクジェット印刷で質感を表現した外壁材好調
―――東日本大震災発生という激動の就任1年目が終わりましたが、業績はいかがでしたか。
売上高は約90億円、前年度対比2ケタの売り上げ増となりました。東日本大震災における我が社の工場の被害は軽微でしたので、早々に復旧し、弊社の商品を使っていただくことで被災地の復旧・復興のお役に立てたのではないかと考えています。
―――ということは震災後の復旧・復興需要が寄与したという事でしょうか。
被災地3県を含む東北地区の売り上げは前年度対比で1・8倍となりましたが、その他、北関東、首都圏などでも需要が増加しました。特に金属屋根材の受注が拡大しました。瓦屋根からの葺き替え需要ですね。震災直後は、瓦屋根に葺き替えたくても材料と瓦職人がいないという事で、金属など別の材料で葺き替えるという事もあったと思います。結果的には、弊社の屋根材の売上構成比も5%アップしました。
―――サイディング材の売れ行きはいかがですか。
復旧・復興に関連するサイディング材の動きは昨年の秋口から出てきていますね。
―――今の売れ筋は。
2011年4月に新商品としてリリースした「iシリーズ」ですね。これは金属サイディングでは難しいと言われている「4色フルカラーインクジェット印刷」を実現させた商品です。今年4月にリリースした新柄ブリック調デザインの『ソフィアブリック』含め、3柄9色のシリーズです。この業界では、軌道に乗るまで1年くらいかかる商品が多いですが、この商品は1〜2カ月で立ち上がりました。出荷量もさることながら、ヒットまでのスピードが速かったですね。
▲iシリーズ「ソフィアブリック」。インクジェット技術で陰影を表現

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1656号(2025/07/14発行)11面
- 1655号(2025/07/07発行)19面
- 1655号(2025/07/07発行)16面
- 1655号(2025/07/07発行)17面
- 1653号(2025/06/16発行)12面