コニージャパン 赤石幸彦取締役
コニージャパン(大阪府大阪市)が始めた水まわりのリフォーム専門店「リフォーる」。割安な価格を打ち出した策が好調で、初年度3億円の売上高を見込む。キーマンの赤石幸彦取締役に話を聞いた。
「リフォーる」のチラシ
「リペアマーケットをほったらかしにしていた」
―――なぜ水まわりのリニューアル専門店なのか。
従来の総合リフォームブランド「スペースアップ」では、増改築など単価の高いものを狙っていこうという方針だった。しかし気がついたらリフォーム業界の中でも大きいマーケットであるリペア、リニューアルをほったらかしにしていた。そしてもう一つの理由は、新卒の子たちの学ぶ場を作ること。毎年30~40人入社してくるが、単価の高い工事はすぐにできない。
―――低価格が武器だが、なぜ価格を重視するのか。
お客さんがなぜリフォームしないのか、その理由を調べてみたところ、「支払える金額ではない」「価格相場が分からない」というお金に関する不安が上位だった。「リフォーる」ではお客さんが求める適正価格というものを見つけ出して、売値をそこにあわせていくという方法をとっている。
―――具体的にどのように価格を決めているのか。
まず、キッチン、お風呂、洗面、トイレなどがいくらならリフォームするのかという適正価格を調査した。そして、この地域で特に安い家電量販店のリフォーム商品を一通り見た。リフォーるではそれより安い価格を打ち出している。
―――チラシによる価格訴求がメーンだが、反響は。
今は一カ月100程度の反響がある。チラシでは工事費込みの明瞭価格を打ち出している。お客さんが不安に思うところだからだ。お客さんはチラシの価格と量販店を比較して、安くて分かりやすいと思ったところに電話をする。そのため掛かってきたお客さんはほとんど頼むという気持ち。だから相見積もりがない。工事も提案もそれほど難しいものではないので、新人でも提案しやすい。堺店にいる1年目の女性社員の契約率は9割だ。
―――工期もチラシに掲載されているが。
気軽にできるということを打ち出すことが重要だ。トイレリフォームは1日使えないというイメージがあるが、「工事3時間」と打ち出している。実際には、1時間半で終わることもある
―――平均受注単価は。
10~15万円。ちなみにスペースアップは25~30万円で倍以上高い。実は「リフォーる堺店」の500メートル先にスペースアップの店舗があるが、ブランディングが違うので競合しない。
―――今後の展開は。
多能工の自社職人の育成を進めていく。また、 来期は10店舗くらい出店したい。コンビニみたいにリフォームを気軽に相談しに行くお店にしたい。

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