日本夢ファクトリー 柴田憲 社長
ローラー仕上げで職人不足にも対応
内装仕上げ材メーカーの日本夢ファクトリー(静岡県静岡市)は、室内環境の改善をコンセプトに製品開発を行ってきた。今年1月には左官職人の不足にも対応すべく、誰でも塗れるローラー仕上げの塗り壁材「ファンタシエ」を開発。このほど本格的な販売を開始した。同社の柴田憲社長に、製品に込めた思いと今後の展開を聞いた。
――新たに開発された「ファンタシエ」は、どのような製品ですか。
ローラーで塗れることで、「より簡単に誰でも使える」というコンセプトの内装仕上げ塗材です。クロスの上など既存の下地を選ばず、誰でもきれいに塗れます。コテ塗り材と比べて、作業時間や人件費などのコストも下げることが期待できます。
――内装仕上げ材としての特徴は?
1番の特徴は安全性です。ホルムアルデヒドF☆☆☆☆の認定はもちろん、VOCも国の暫定基準値を大幅に下回る安全な内装材です。
調湿効果にも優れています。結露やカビの発生を抑制することで、空気環境を改善します。
さらに、主原料の酵素の効果により、においの吸着分解やシックハウス対策にも有効です。
――主原料はどのようなものでしょう。
主な原料は、「ケルザイム」というカルシウムとミネラルが含まれる特殊な化石で、アメリカで開発された製品です。含まれる酵素による消臭効果と、調湿機能を有しています。
これを利用して日本の住宅に合うようにと、静岡大学と協力して14年前に完成させたのが「健康塗り壁 ダイアトーマス」。弊社の主力製品となっている内装仕上げ材です。ファンタシエも、このダイアトーマスがベースになっています。
――「健康塗り壁」を開発されたきっかけは?
私はもともと大工として四半世紀、さまざまな建築に携わってきました。ビニールクロスが1つの要因になって生じる結露やカビの問題を感じており、自ら「ビニールクロスに代わる安全な内壁材を開発しよう」と思ったのです。
それで安全な塗り壁であると同時に、コスト的にもクロスとかけ離れた材料にならないよう、ボードの上に直接塗れる一発仕上げの内壁塗り壁材開発しました。
――そして今回、より施工性を高めたのが新製品というわけですね。
大工時代から感じていたもう1つの問題に、職人不足がありました。当時から左官さんは高齢の方が多く、特に今は左官に限らず職人不足が問題になっています。今回のファンタシエは、ローラーで誰でも簡単に塗れる製品です。
専門の職人でなくても扱えて、施主自身もDIYで室内の環境を改善することができます。これにより、室内の空気質で困っている多くの人の悩みが解決できれば幸いです。

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