アップレボ不動産販売 浅井友章社長
中古改修で単価450万円
アップレボ不動産販売(愛知県名古屋市)は「ワンストップビジネス」で売り上げを伸ばしている。今年5月から、中古住宅仲介に合わせてリノベーションを提案。その結果、月商は以前の約4倍に上がった。浅井友章社長にビジネスモデルを聞いた。
5店舗で仲介業
――ワンストップ事業が好調です。
愛知県豊田市にある店舗で「KULABO(クラボ)」というブランドでスタートしました。リノベーションの平均単価は450万円。以前からリフォームをやっていましたがその時の5倍の単価です。
最近は月3、4件を契約できているので、1500万~2000万円の売り上げになります。その結果、リノベと仲介手数料を含めた月商は以前の約4倍、粗利益は4.7倍になりました。
――主な事業は不動産仲介がメーンになります。
「ハウスボカン」というブランドの店舗を愛知県内に5つ構えています。仲介件数は新築、中古、土地など年間200件ほど。私たちは分譲、注文、買い取り再販事業を手掛けるアップウィッシュグループの不動産仲介会社になります。
――ターゲットは誰ですか。
住宅の一次取得者層です。どちらかと言えば、こだわりが強い層というよりは、漠然と家を探している人がターゲットと言えます。例えば、注文住宅が欲しいけれども予算が厳しい、でも建て売りはちょっとデザインがあまり興味を引くものがないな、と考えているような方ですね。
――あくまで家を探している方全般が対象なんですね。ただ、新築を探している人に中古をお勧めするのはなかなか難しいのでは。
提案する際に、リノベーションは「中古の注文住宅」なんです、と説明しています。中は自由に変えられるので注文住宅と同じ、ただ、ベースが中古だと。やはり単なる中古住宅というのはネガティブな印象を持たれる。そのイメージを消すために「注文」というお話をします。
――その魅力はどのように伝えるのでしょうか。
仲介店舗のすぐ隣に作ったショールームです。ここにはそれぞれ異なる5種のテイストでつくられたリノベーション空間があります。このどれかの部屋に住みたいですか?と聞くと、嫌という人はまずいません。
リノベーションの予算をお伝えすると、注文住宅よりも1000万円も安い予算で済むと分かり、みなさん驚かれます。実際リノベは不動産価格を含めても、注文住宅に比べて3分の2くらい、あるいは半額くらいで済むこともあります。


リノベーションを体感してもらい、中古住宅の提案を進める
――自由で、かつ安いことを理解してもらうわけですね。
もちろん、お客様全員に響くわけではありませんが、「リノベーション」という言葉を知らない人もいますので、なるべく全員このショールームに通すようにしています。
それと、5つもパターンを用意しているのは、お客様の希望するテイストにどれかが合う確率を高めるためです。色合いや雰囲気がニーズに沿えば打ち合わせも進みやすい。

完成した物件では見学会を開催
戸建てが7割
――リノベ営業は誰が担当するのでしょうか。
設計デザイン・インテリア担当が3人います。不動産仲介営業と連携して提案しています。また、工事が大きくなるので施工管理が3人います。
リノベの費用は基本工事が350万円で、それに「平米×5万円」にしています。リフォームしなくてよいところは減額して調整します。今は戸建てが7割、マンションが3割です。
――なぜビジネスを始めたのでしょうか。
他社との差別化を図るためです。仲介事業というのは新築を売れば利益が大きい。ですが、これはどの会社もやるので競合が多い。また、新築の請負が最も利益が大きいですが、これはハウスメーカーには勝てない。
でも、リノベは競合社がいない。さらに、粗利益が高いところも魅力です。例えば、3000万円の新築を仲介すれば両手取引で200万円。
それを仮に2000万円の中古住宅と800万円のリノベが取れれば、粗利益ベースで新築の両手取引を上回ります。基本的に不動産営業というのは、仲介手数料を下げるということを考えない。だから競合社がいないんです。
――今後の方針は。
全店舗に専属スタッフを置いていきたい。初年度は、リノベだけで3億2000万円の売り上げを計画しています。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1656号(2025/07/14発行)11面
- 1655号(2025/07/07発行)19面
- 1655号(2025/07/07発行)16面
- 1655号(2025/07/07発行)17面
- 1653号(2025/06/16発行)12面