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大都、DIY工具のネット通販で年商25億円

大都、DIY工具のネット通販で年商25億円

大都
山田岳人 社長
1152号 (2015/01/13発行) 20面
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大都 山田岳人 社長

大都 山田岳人 社長

150メーカー、85万アイテム取り扱い

 工具に特化したECサイト「DIYツールドットコム」で売り上げを伸ばしているのが大都( 大阪府大阪市)。昨年12月期決算の売上高は前年比25%増の約25億円と大幅な伸びを見せている。山田岳人社長は「DIY文化を広めていきたい」と話す。

「30代女性」増える

――「DIYツールドットコム」ではどれくらいのアイテムを扱っているのでしょうか。

 DIYとガーデニングにまつわるアイテムを85万点くらい取り扱っています。メーカー数で言うと約150社。そのうち海外ブランドが10社くらいあります。品ぞろえが多いホームセンター40店舗分くらいあるでしょうね。DIYアイテム数ではナンバーワンだと思います。

オリジナル商品も開発、販売している
オリジナル商品も開発、販売している

――どんな方が利用していますか。

 40代の男性が多い。次は50代が多かったんですが、最近は30代の女性が増えているんです。家やインテリアに関心を持つのは女性が多いですし、家にいる時間も長い。壁を塗るとか、模様替えしたいという欲求が高まってきたんだと思います。DIYという言葉はこれまで男性の日曜大工というような意味でとらえられていたんですが、それが変わってきています。

――顧客単価はどれくらいですか。

 平均すると1万円くらい。よく売れる商品は塗料ですね。もちろん塗料はホームセンターでも取り扱っていますが、例えば200色そろえている商品だと、これだけの種類を実店舗に置くのは無理ですよね。ネットであればこれが可能。あとは、はしごのような、店舗で買うと持って帰るのが大変なものも売れます。

――ネット通販は配送のスピードも顧客満足度を左右しますね。

 例えば今日注文をもらったら、例え取り寄せ品でも明日出荷できるようにしています。注文を受けると、その情報が取引先のメーカーさんのパソコンに入るEDIというシステムを使うことで情報の伝達が非常に早く、早期の出荷が可能になっています。

2002年、楽天で販売

――業績はいかがですか。

 昨年の12月期決算で約25億円です。その前の年は19億8000万円でした。DIYツールドットコムが23億円で、業者向けの工具サイト「モノトス」が2億円くらい。ホームセンター市場は3兆円なので、まだまだ市場はあります。

――なぜネット通販に取り組もうと思ったのですか。

 元々は工具の問屋で、今創業78年になります。私は元々リクルートに務めていて、それから1998年にこの会社に入ったのですが、やはり中小の問屋業というのはなかなかうまくいきません。ホームセンターへの卸をしていましたが、要求が厳しくなったり、工具売り場が縮小していったりして、このままじゃいけないということで、新しい販路の開拓をし始めました。2002年に問屋業の傍ら、楽天市場で売り始めたことがネット販売の始まりです。

物販と教育の両立

――最近はDIY FACTORYという実店舗もオープンしましたね。

 ここは「体験する」お店です。ネットで販売している工具を実際に使ってもらえます。またほぼ毎日ワークショップをやっていて、工具の使い方、モノの作り方を教えています。4月に東京にも出店します。

大阪にある「DIYFACTORY」も運営
大阪にある「DIYFACTORY」も運営

――リノベーション事業も開始しています。

 大阪府住宅供給公社とデザイン会社の9(ナイン)さんと一緒に団地のリノベーションをしています。今5室をリノベーションしているのですが、これはDIYスクールという形式をとっています。DIYを体験したい、学びたいという人を集めて、私たちや大工がその方法を教えて改修していくというものです。

――DIYを取り入れた新しい家づくりを進めていくわけですね。

 私たちは、DIYの魅力を発信して、文化をつくっていきたい。今でもDIYやりたい!って人は数多くいると思うんですが、やり方が分からない。だから物販だけでなく、教育にまで関わりたい。

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