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第1回「建築職人甲子園TOKYO」開催 4月5日2,000人規模

建築職人甲子園TOKYO
小山宗一郎代表理事
1158号 (2015/02/24発行) 7面
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建築職人甲子園TOKYO 小山宗一郎代表理事

建築職人甲子園TOKYO
小山宗一郎代表理事

 「共に学び、共に実践、共に輝く」の理念のもと、4月5日、東京で第1回「建築職人甲子園TOKYO」が開催される。同イベントは、建築職人から業界、ひいては日本を元気にするため立ち上げられた職人のプレゼン大会。企画・運営を行う一般社団法人建築職人甲子園TOKYOの小山宗一郎代表理事は「最終的には、全国規模に広げていきたい」と将来構想を話す。

決勝大会5社が決定

――決勝大会が約1カ月後に迫りました。決勝に進む5社が決定しましたが、そもそも建築職人甲子園TOKYOとはどんな大会なのでしょう。

 一言でいうと、楽しく学び続ける環境と出会いの場です。予選があり、決勝というのはあくまで甲子園の一部。檀上に上がってプレゼンして終了するのではなく、そこに携わるすべての人が切磋琢磨しながら取り組みを広め、業界発展に尽力しています。

――つまり、決勝に至る過程、すべてが甲子園ということですね。

 だから、プレゼンで競いますが途中、ありとあらゆるもの、企業秘密の部分もオープンにする。例えば今回の2次予選でも「うちはこんなプレゼンをするよ」という手の内を選手同士で明かしあっていました。そこから良い点を取り入れ合い、最初よりも5倍、10倍もいいものができていく。だから負けていった人たちの思いも全部背負って檀上に上がるわけです。

――最初は300社ほどのエントリーでしたよね。

 309社がエントリーし、書類選考で15社まで絞りました。その15社で2次予選を行うため、従業員満足度のアンケート調査や、他己紹介といって社員お互いの人生を深く掘り下げて紹介した内容を提出していただきました。ただ、これは参考資料。加えて仕事に対する思い、取り組みを紹介する8分間のプレゼンテーション映像を作って出してもらいました。

――こうしたプレゼンを作る中で、参加者の意識の変革などが生まれているのでしょうか。

 そうですね。この2次予選、他己紹介が特に良かったようです。「良く知っていると思ったけど、お前そんな趣あったんだ」とか、一番の側近のことでも意外と知らない。そこから血が通い出し、コミュニケーションにつながってきているのです。涙がとまらない、すごく価値があるものをもらいました、などのメールも頂きました。

――小山さんの会社、メガスステップも今回の決勝大会に残りましたが、大会を通じて会社の変革がありましたか。

 変わりました。今回は上の役員は関わらず、現場のリーダー格が中心となって行ってきたのですが、会社にたまっている膿がでてくるんです。現場で忙しい中で、予選の準備をしないといけない、日曜日もつぶれたりして「何の意味があるんですか」といった話になりました。そんな状況になったからこそ、深い話をすることになる。甲子園がなかったらたぶん触れずにきた部分です。

――私が驚いたのは、約40人の実行委員の人たちが本気で携わっていることです。何の報酬もない中、多くの時間を割き、実行している。得るもの、思い、がないとなかなか関われません。

 だから理念が大事だと思います。最初、実行委員希望で来た人にはプレゼンさせるのです。何のために建築職人甲子園に関わるのですかと。保険屋さんなども来るのですが、本当は商品を売るために来たんじゃないですか、とか皆でつるし上げですよ(笑)

――では、現在残っている人たちは、思いを共有している人たちなのですね。

 ある人は珪藻土を売っているのですが、湿度の学問がないから、自分は学問を作りたいと話していました。僕らと会うことで一歩前に出ることを知り、今は夢に向かっています。

――そうしたさまざまな活動の末、4月5日の決勝大会を迎えることになりますが、当日はどんな内容を行うのでしょうか。

 各参加者、20分のプレゼンで業界活性化の取り組みと仕事に対する思いを話してもらいます。檀上に立つ人数は自由。5人の会社もあれば30人の会社もあるかもしれません。

建築職人甲子園TOKYO 参加者数は2000人規模
参加者数は2000人規模

働く意義を訴求

―― ところで、そもそもこの建築職人甲子園TOKYOの立ち上げをなぜ決意したのですか。

 きっかけは、僕の人生が関係しています。元々僕は、建築職人で一生やりたいと考えていたわけではなく、ただお金を稼ぐために現場に入りました。その中で一生懸命仕事をしていたら、左官から声がかかり見習いでも1日1万3000円くれるという。荷揚げは7000円でしたから、よしやろうと左官業に入ったのです。

――何歳の時ですか。

 17歳ですね。どんどん仕事ができるようになってきて、22歳の時にメガスステップという会社をつくり、3年ぐらい大きく成長しました。しかしその後崩壊していったのです。その時すごく思ったのが、お金を払い仕事も与えているのに、スタッフが会社の愚痴や仕事の不満をもち離職率も高い。そんな中、居酒屋のプレゼン大会である居酒屋甲子園に出会い、経営者としての在り方、会社の在り方に気付いたのです。

 要は同じ居酒屋同士のライバルが皆で力を合わせ、日本を元気にしようと、楽しそうに活動している。一方、僕は給料もほかの会社よりも出していたけど楽しくない会社だったのです。

―― それで会社を変革していったのですね。

 変えていきました。職人を道具というか手段として使っていたんだなということに気付いたのです。だから自分たちは何のために働いているんだというところをしっかり伝えていったのです。すると社風も変わってきた。するとやはり自分たちの会社だけではなく、業界もよくならないといけないと気付いてきちゃって、気付いたらやるしかないじゃないですか。

――そこで、建築職人甲子園TOKYOの母体となった、職人ドリブラ第1回リフォーム甲子園に参加し、王者になったのですね。

 フェイスブックで大会を知り、居酒屋甲子園と同じ思いの大会ですかと聞いたら「そうだよ」と言われ、じゃあ出ますと参加したのです。

――向こうは関西での開催ですから、東京での立ち上げを進めたのですね。

 それぞれ地域に根をはわせ、最終的に全国に広げていこうと話しています。だから、栃木などでもやりたいと話が出ているのですが、やってくださいと。名古屋や静岡などでも動いていて、火がついてきて、盛り上がってきていますね。

次回は5000人規模に

――最後に大会にかける思いを教えてください。

 結局、僕たちの考えている目的は、話しても伝わりにくいのです。要は職人さんたちからすると「分かるけど何がしたいの」といった話になってしまう。一生懸命になればなるほど温度差が出てくるのです。だから僕はよく言っているのですが、うさんくさいと思ってもいいから一度顔を出してみてと。その中でいろいろな人と会い、そんな悪い人たちじゃないんだとか、これすごくいいことだね、自分の人生が変わるかも知れない―――とだんだん感じてほしい。

 何とか4月5日、多くの人に来てもらい、仲間にしていきたいのです。だから4月5日の決勝が説明会、始まりにしていきたいのです。2回大会に向けて一緒にやろうという気持ちをもってもらうことが一番の目的です。

――次回はさらに規模を拡大していくのですね。

 これは僕だけしか言っていないのですが、パシフィコ横浜でやりたい。5000人に来てもらい、居酒屋甲子園と同じ規模、そしてさらに数万人規模にしたいと思います。

――より会場を大きくしないといけませんね。

 その時は本当の甲子園でやりたいですね。

≪ 建築職人甲子園TOKYO 概要 ≫ ※ホームページから申し込み可
 開催日 / 4月5日13時~
 会場 / 五反田ゆうぽうと・大ホール
 参加規模 / 約2000人
 参加費 / 前売券3000円(税込)当日券4000円(税込) 

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