トーシンコーポレーション 杉本達也社長
住設流通とエクステリアで年商55億円
創業63年の歴史を持ち住設建材の流通、自社エクステリア製品の販売、緑化の3事業を中心に年商55億円を売り上げるトーシンコーポレーション(東京都目黒区)。主力の住設建材流通事業では、施工まで自社で対応する「材工一体」を特徴とする。5代目社長の杉本達也氏は「自分たちで責任を持ってお客様のお世話をする"自己完結主義"が当社の強み。さらに磨きをかけていく」と語る。
「いこい風呂」開発
―― 御社は住設流通を中心に様々な事業を展開しておられますが、元々はメーカーとしてスタートしたそうですね。
創業者である私の祖父が、保温タイル浴槽の「いこい風呂」を開発したのが最初です。また、ヨーロッパ視察に行った祖父らが街に緑があふれていることに感銘を受け、戦後の経済復興に沸く東京にも緑を増やそうとフラワープランターを開発しました。これは今では施設向け市場の8割近いシェアを持っています。
―― 御社単体の直近の売り上げの内訳は。
住設建材の流通部門が約35億円、エクステリア事業と緑化事業を合わせて約13億、あとは新設のリフォーム&リノベーション部とマンション関連事業で半々ずつです。
―― 住設建材事業では流通だけでなく施工も行う「材工一体」が御社の特長だそうですね。
38年前に立ち上げた施工グループがあり、それがあって商売しています。お客様からすると、全部管理してくれるのがトーシンなんだと。これをつくったのは今の会長(岩松和義氏)です。私が前に勤めていたパナソニックからこの会社に戻ってきたとき、営業マンのほかに施工担当者が2人いて現場管理していた。流通会社に施工担当なんて要らないって盛んに言ったのですが、会長が「これがうちのやり方。売り上げを伸ばそうと思ってやっているわけじゃないから」と断固としてやめなかった。これには会長に感謝しています。あの時、志を曲げた会長であったら、今の我が社はなかったと思います。
メーカーらしいDNA
―― 販売店としてのトーシンさんは取引先が多岐にわたりますが、自己責任で管理する風土があるそうですね。
ずっとDNAがメーカーなんです。"商社部門も自己完結する商社であれ"と言うのですが、元々メーカーからスタートしているので、「自分たちでちゃんと責任を持ってやるんだ」というのが元々の考え方。トーシンが代理店なので、基本的にはお客様の管理はトーシンがやる。商品についても自分たちで勉強する。売る以上は責任をもって販売することが大切だと考えています。
―― 問屋でありながら自己完結主義のDNAを持っているのは、出発点がメーカーならではですね。そのメーカー部門の方は現在、エクステリア事業がメーンですが、そちらの展望はどうですか。
エクステリア事業は7~8億円の売り上げになりました。新しいガーデン&エクステリアアイテム「un( アン)」は、女性らしいしなやかなラインが美しい門柱、ナチュラルな感覚のポストなど、女性の視点でデザインされたシリーズ。バリエーション豊富な水栓柱も人気です。他社とは違った素材感ある商品を製造していますので、まだまだ伸ばせると思います

女性に人気の「un」シリーズの門柱
社員を大切にする経営
―― 創立70周年に向けて重視していることは。
利益が上がることはもちろん大切ですが、当社は社員を大切にする経営をしていきたいと思います。その1つには社員教育のため、研修費をかなり使います。利益が上がったらそれで社員に研修を受けてもらい、勉強してもらえばいずれお客様に還元されますから。
―― 社員を重視する会社経営が根付いているのですね。
営業マン研修、品質管理研修やビジネススクール、女子社員も業務研修などに積極的に行かせています。社内では20代~30代前半の若手社員をチームにして、うちの会社に必要なことや新事業に何を立ち上げるかといった会社の将来を考える研修などを開催。研修を受ける社員が必死で変わろうとしているのが分かりますよ。
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