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リプライス、再販事業で100億円突破見込み

リプライス、再販事業で100億円突破見込み

リプライス
星山敏秀 社長
1167号 (2015/05/05発行) 11面
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リプライス 星山敏秀社長

リプライス 星山敏秀社長

関東展開を本格化、IPOも視野に

 戸建て再販事業をメーンに10年連続、対前年度比約130%の成長を続けてきたリプライス(愛知県名古屋市)。今期(5月末)は売り上げ100億円の大台を突破する見込みであり、関東で取り組むマンション再販も軌道に乗り始めている。上場準備にも入った同社の星山敏秀社長は「新たな事業体をつくる」と長期成長に向けた新展開に意欲を見せる。

中心部で事業開始

――今年度から関東での展開を本格化したそうですが、従来と何が変わったのですか。

 以前はドーナツ化現象のように、神奈川と埼玉に拠点を置き、東京の近郊だけを手掛けるイメージでした。その拠点を真ん中に移し、展開を始めました。現在、東京を含めた関東だけで年20億円を切るくらいの実績です。

――ただ中心部は、御社が従来手掛けてきたような、所得の低い方でも購入できるローコスト型の戸建て再販事業に合わないのではないですか。

 今まで私どもが扱ってきた1200万~1300万円というような物件は基本的にありません。金額的には2000万円中盤から後半。金額は高くなっていますが、東京の層からすると従来ターゲットにしてきた顧客層と変わりありません。

――戸建てとマンションの割合はどのくらいでしょうか。

 3対7で、マンションが多い。値ごろ感を出し、物件によってはお客様に合った再生提案をしています。

――オーダーメードのリフォームということですか。

 そうですね。今までは既にリフォームをして仕上げた物件を売っていたのを今は物件によって、お客様の購入後に提案リフォームをしています。結局、リフォーム費用をかけてしまうと、かえって近隣の物件と比較し、割高な金額になってしまうことがある。関東では後からのリフォームが2、3割ほどあります。

――リフォームは外部企業が行うのですか。

 そうです。リフォーム会社はABCの3段階に分かれています。Cはいわゆる修繕、畳替えして清掃など、大きな工事は行わない会社。そしてBは、ある程度自前でクロス張りなどのリメイクをしている会社。最後のAは水まわりから大工工事まで行える会社です。この3つのカテゴリーに分け、工事によって依頼先を割り振っています。

――ただ、関東は競合他社が多く、再販事業者にとってはかなり厳しい市場環境の中にあると思います。御社としてはどのように見ていますか。

 魚もいっぱいいますが、釣り人も多いという状態ですね。それでひとり勝ちできるかというと、釣り場の場所さえも取りにくい。そこでどうするかとなると、クレーンのようのもので上から釣るなど奇抜な発想でないと釣らせてもらえませんね。

成長性を確保

――すると、新しい戦略に打ってでるわけですね。

 関連するような事業でのバージョンアップを考えています。年に120~130%で成長してきましたので、ここでMAXというと、成長意欲を持った人材を流出させてしまいます。だから、新しい事業体をつくっていかないといけません。

――具体的には。

 IPOの準備に入っている中であまり言えないのですが、例えばシェアハウスとか、賃貸の再生事業のようなものです。

――新規事業と共に、エリアを広げていくという考えはないですか。

 無きにしも非ずですね。例えば北海道は札幌を中心に展開していますが、ある程度基盤を築いたうえで状態を見極めながら次のステップにいく。可能性としてはあるという状況です。

――北海道の場合、札幌の次は30万都市になってしまいます。そうしたエリアでも可能ということでしょうか。

 可能ですが、その地域に特化して行うというよりも広範囲にわたり展開してきました。各県に支店を置くほどの需要がありません。

――そのため、北海道なら札幌、東北なら仙台と大都市に拠点を置く展開をしてきたのですね。エリアごとの戦略の違いはありますか。

 同じ商品を各地で扱っていくよりもセレクトショップのようなやり方です。要するに北海道では、今の季節に薄着のものを売っても売れないなどがありますよね。

――なるほど、地域特性を考えた、戦略を各地で行っているわけですね。

 私どもは商品を合わせる戦略、つまり各エリアで戦略が変わってきます。

――では、企画力が重要になってくると思いますから、優秀な人材が必要ですね。

 基本的にはそういうことです。各エリアで目利きも必要ですし、販売期間なども変わってくる。そこに対応していかないといけません。例えば服屋さんでいうとユナイテッドアローズとか本屋のヴィレッジヴァンガード。同じような店ですが、若干品揃えは違います。

違う角度での事業展開を

――今後の展開としてはどのように考えていますか。

 今の事業で規模を拡大するのはリスクが高すぎると見ています。売り上げのパイを取るために不良在庫を持たざるを得ないジレンマに駆られてしまう。私どもは多分、この領域に入っていく。だから先ほど話したように、今のうちに違う角度での事業展開を考えていこうとしています。

――再販ビジネスは仕入れが8割といわれるように、仕入れが難しくなったとたん事業が悪化するモデルですよね。

 みなさんも多分その部分でもがいていると思うのです。私どもも同じようなビジネスモデルを展開してきて、1000億、2000億というのは、不可能ではないにしろ非常に難しい。

 なぜかというと、仕入れをメーカーのようにコントロールできないからです。そうすると100億、200億という数字までは確保できるのでしょうが、今までの延長戦では厳しいと見ています。

――今の人員は100人ぐらいと聞きましたが、人員を増やしていく予定でしょうか。

 どちらかというと、人員を増やし、売り上げを上げる考えはありません。人を増やし伸ばす形では、市場が変わった時に柔軟な対応が難しいからです。1人当たりのパフォーマンスを最大限にし、リーマンショックや増税などがあっても対応できるようにしたいです。


会社概要
本社 * 愛知県名古屋市 / 設立 * 1996年6月 / 資本金 * 7500万円
資本準備金 * 450万円
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