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『先進的なリフォーム事業者表彰』 3社による事業モデル解説

ニッカホーム/マエダハウジング/シー・アイ・エス計画研究所
榎戸欽治会長/前田政登己社長/服部倫史社長
1210号 (2016/03/22発行) 7面
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 経済産業省が先日発表した「先進的なリフォーム事業者表彰」。3月9日、選ばれた3社によるプレゼンとパネルディスカッションが行われた。ニッカホーム(愛知県名古屋市)の榎戸欽治会長、マエダハウジング(広島県安芸郡)の前田政登己社長、シー・アイ・エス計画研究所(北海道札幌市)の服部倫史社長が各社の事業モデルを解説した。

ニッカホーム 榎戸欽治会長

ニッカホーム 榎戸欽治会長

 ニッカホームは、現在名古屋のほか、関東・関西に約60店を展開している。特色あるチラシと、新入社員を早期に店長クラスまで育て上げる人材育成の実績が評価された。

 「人材育成のポイントは営業から施工管理まで行う『一貫体制』。仕事全体の流れを把握することで、自分が今どこにいるかが分かる。分業にして会社の歯車にするのではなく、すべてやらせることで、やりがいを与えられます」(榎戸会長)

マエダハウジング 前田政登己社長

マエダハウジング 前田政登己社長

 マエダハウジングは地域密着型の住宅ワンストップサービスを展開。その中核となる「中古戸建て購入+リフォーム」では、グループ内に不動産会社を持ち、広島市を中心にサービスを提供している。

 「事業開始当初は水まわりがメーンでしたが、10年前に、このままでは生き残れないなと感じました。色々と勉強していくうちに、中小企業なら『自然素材』や『デザイン』にシフトしていくべきだと考えました」

 他にも雑誌によるリフォーム情報の発信や、空き家買い取り専門店など、リフォーム市場の活性化に貢献している。

シー・アイ・エス計画研究所 服部倫史社長

シー・アイ・エス計画研究所 服部倫史社長

 シー・アイ・エス計画研究所は、中古住宅流通・リフォームを安心して使える仕組み「北海道R住宅システム」を運営している。同システムには、地域工務店、専門技術者、銀行、保険法人、研究機関、行政など43団体が参加。第三者によるリフォーム前のインスペクション、性能向上リフォームの実施、築年数や品質に関わらないリフォームローンの提供などを行う。

 「これだけ増えた要因の1つは、事業者の多くが、リフォーム事業に関わりたいが、どう取り組んでいけばいいか分からなかったこと。今でこそリフォームの平均工事単価は1500万円ほどになっていますが、当時はそれが顕在化していませんでした」(服部社長)

Q. 事業拡大につながったノウハウは?

【榎戸会長】
 チラシに入っている「見積もりは3社から取ってください」という文句。当初この言葉をチラシに載せようと提案した時、社内の反対がありました。しかし重要なのは、審議件数が増えるということ。そもそもお客さんは2、3社相見積もりするのが現状ですので、まず検討の土俵に乗せてもらう必要があります。

【前田社長】
 協力事業者会「前進会」で、年7回研修や情報交換を行っていること。社内だけでなく、協力会社とも「いかにお客さんに喜んでもらえるか」という価値観を共有するようにしています。リフォームは他のすべてがよくても、職人が悪いだけで、お客様からの評価は全部「バツ」になってしまうからです。

【服部社長】
 第三者による中古住宅インスペクション。工務店からは「自社の検査で十分」、不動産会社からも「必要ない」との反対の声が上がりました。これが変わったのは、現場サイドから、「インスペクションを導入してほしい」という声が上がったからです。専門の経験を持っている人がいると、安心できるというものでした。


Q. リフォーム事業の意義とは?

【榎戸会長】
 逆のことを言ってしまうと、儲かることしか考えてない。でもどうしたら喜んでくれるのかな、やる気を出してくれるのかなと考えています。難しいことはあまり考えていなくて、たまたま私のやりたいことがその方向だった。人が幸せになることで、自分たちも幸せになれる「幸せの方程式」のようなものかもしれません。

【前田社長】
 昨今問題視されている、「空き家」解消に貢献できているかな、と思います。空き家は広島でも社会問題になっている。自分たちができることは、やりたいことは、というかたちで空き家ビジネスをやっている。
 リフォームはあくまで、明るい家庭を築くための手段だと捉えています。そこに関われたら本望ですね。

【服部社長】
 私たちの取り組みの中で、建て替えを選択しようとした方が、リフォームを選択した場面を多く見てきました。家族の思い出がつまった家を残すことで、喜んでもらえた。これは最初想定していなかったことでした。私たちのシステムで安心だけでなく、感動や喜びも提供できることを実感しました。

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