-THE SHOKUNIN-【塗装】
リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは塗装職人の関根勝幸さんだ。お客様のこだわりにとことん付き合うという関根さんの仕事ぶりを紹介する。
関根 勝幸さん(30歳)
外壁塗装を行う関根さん。色が違う軒天井と外壁のラインがきれいに出るように作業する
マッチングサイトを活用し、お客様と直につながる
高校と専門学校は自分でアルバイトをしながら学費を払ったという関根さん。観光関係の専門学校を卒業後、知り合いに紹介されたのが、塗装会社だった。
「最初は、正直言って職人さんが怖かったですよ(笑)。このまま続けられるか不安でもありました。でも、独立したら自分の方法で仕事ができるんじゃないかと思い、28歳の時に独立しました」
「ツクリンク」「くらしのマーケット」「Zehitomo(ぜひとも)」。関根さんは独立した時、こうしたマッチングサイトにすぐに登録をした。そうしたSNSから情報発信を続けたことでお客様から直接仕事の依頼が増加。今では全体の5割を占める。
「直請仕事の良いところは、お客様のニーズに最後まで付き合えることですね。明日には足場をバラさなければいけないけれど、お客様は満足していない。でも、スケジュール上、工期を延ばすことができないということがありません」関根さんは、これからはリフォーム店を挟まず、お客様が職人に直接コンタクトを取る。そんな新しい流れが来ると感じている。
室内で作業する関根さん。元々不器用な方だが、独立後、難しい案件をこなしていくうちに腕を上げていった
むずかしい工事が持ち込まれることも
関根さんのこだわりは、「お客様のこだわり」にとことん寄り添うこと。時に難題が持ち込まれることもあるが、真摯に対応する。あるアパートオーナーは「Zehitomo」を見て関根さんに仕事を依頼。アパートの新築工事の内装で、すでに塗装は別業者が行っていたが、施工方法が間違っていたためにやり直しに。クロスやフローリング工事が終わった後に塗装をやり直すという難しい仕事だった。
他にも、色が気に入ったので、外国の塗料を使ってほしいと依頼されたこともあったが、むしろ勉強の場だと感じている。
「僕は、お客様にはこだわりを持ってもらいたいと思っています。住宅は安い買い物ではありません。お客様から『もっとこうして』と言われると、塗装に興味を持ってもらっているんだ、と嬉しくなりますね」
関根さんの愛用している道具。左は腰袋。こだわりは刷毛や皮すきを2種類以上持っていること。白い刷毛は柔らかく、サッシなどに傷がつきやすいところに使う。皮すきも「切る用」「削る用」に分けている
職業:塗装職人
名前:関根 勝幸 さん
所属:関根塗装 代表
《主な活動地》
東京都内・神奈川県内
《仕事へのこだわり》
奥様の出身地であるルーマニアに滞在していた時、外国の塗装を勉強したくて現地の塗装の仕事を手伝わせてもらったという関根さん。言葉は通じなくても、道具や材料を見れば、どんな作業をしたらいいか分かったと話す。「ルーマニアの職人さん達はよく喋り、いろいろと気を遣ってくれて、コミュニケーション能力が高いですね」
作業をしたことで気づいたのは日本の塗料と外国の塗料の違い。外国の塗料はツヤのないものが多く、経年劣化が目立たない。日本でもそうした塗料が増えていると感じている。
《仕事についたキッカケ》
28歳の時、リペイント湘南の社長で兄の原田芳一さんから「仕事を手伝ってほしい」と言われたのがキッカケ。それまで、自分でベッドを作ったり、机にペンキを塗ったりとDIYが好きだったので、塗装の仕事に抵抗がなかった。
《1日のスケジュール》
5:30 起床・朝食 必ずご飯とお味噌汁を食べて元気を出す。ルーマニア出身の奥様が日本食を作ってくれる。
6:30 出勤
9:00 現場到着 お客様に挨拶をした後、作業開始
12:00 昼食 作業の進行具合によっては食べないこともある
13:00 午後の作業スタート
17:00 作業終了 17半過ぎには現場を出る
19:30 帰宅 入浴 夕食朝が早いため、帰宅し入浴した後、子どもと遊ぶ時間を作っている。3歳になる娘さんと一緒におままごとをすることも。夕食後は次の現場の見積りや塗料についての勉強をする。
24:00 就寝
愛娘のアレクサンドラさん。3歳。関根さんにそっくりの美少女
《リフレッシュ法》
関根さんのリフレッシュ法は、トレーニング。16歳の時から週に5回はマシントレーニングで汗を流していた。今は週に2回ほど。ストレス解消のほか、体のコンディションを整えることにもつながっている。
関根さんからリフォーム営業担当者にメッセージ
こんな営業さんはすごい!
1日1回、現場(お客様の家)に来てくれた営業さんはできる人だと思いました。一度挨拶をしたら、完工まで一度も来ない人もいますが、5分でも立ち寄って、工程が間違っていないかなど確認してもらうと、職人も「ちゃんと考えてくれているんだ」と安心します。お客様の信頼にもつながると思います。
こうしてもらうと嬉しいなぁ
「もう少し工期をとってもらえたら」と思うときはありますね。見積もりに含まれていなくても、塗装した方がいいところが見つかったりするので、「塗りましょうか?」とお客様に提案したい。職人の性で全部きれいにしたくなっちゃうんですよ。もちろんサービスで、です。そのために工期に余裕をもってもらえると助かります。
営業さんとは、気軽に話せる関係に
時々お客様から「この仕事、いくらでやっているんですか」と聞かれます。営業さんがお客様にどのくらいの金額を提示しているか知りませんから、答えられませんよね(笑)。日頃から職人とよくコミュニケーションをとってくれる営業さんだったら、「営業さんに聞いてください」と気持ちよくお客様にお話しできます。営業さんとはちょっとした会話もできるような良い関係でありたいと思っています。
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