プレゼンは受注を決定づける大切なシーン。「グイグイ言うのは苦手」と話すリビングサーラの営業の熊谷悠紀氏は、資料で提案して、施主から「やりたい」と言ってもらうように仕向けるという。感性で捉えるタイプの施主には、写真を多用したビジュアル重視の資料を準備するなど、相手に合わせ、見せ方を考え抜いた資料を披露してもらった。
カスタムメイド資料で受注や金額アップに成功
リビングサーラ
熊谷悠紀 氏
相手に合わせた資料づくりで、受注や金額アップに成功している熊谷氏。事例1では、プリンセス気分を味わいたいという施主の意向がある一方で、具体的な商品の希望はなかった。そこでヒアリング時に大量のカタログを持っていき、1時間以上かけてテイストをすり合わせた。それを反映させた力作が、イメージが伝わる画像を散りばめた資料だ。「画像を大量に集めてから選んでいくので、図面描きよりも時間がかかりました」。苦労の甲斐があり、施主はどんどん熱心になっていったという。
事例1「妻の個室を新設」
◆事例紹介◆
3LDKのマンションに暮らす夫婦+長女(小6)、長男(小4)の4人家族。夫、妻+長男、長女で個室を使ってきたが、長男も一人部屋が欲しいということで、リビングの一角に妻の個室を新設することになった。妻の要望は「プリンセス気分になれる部屋」で、熊谷氏はビジュアル重視の資料で攻めることにした。
Point!
テイストが伝わる写真を選び抜き、全面に散りばめる
1ページ目の全面に商品画像や使用イメージ画像を張り付けて、まずはビジュアルで施主の気持ちを上げる。「最終的にこの中の物をほぼ採用してくれました」と、実用性も兼ねている。
Point!
手描きの平面図で温かみを演出
熊谷氏はアナログのほうが温かみがあって伝わりやすいと考え、平面図を手描きにすることが多い。「正確性を重視する施主や法人だと、信頼感を与えるCADにするなど使い分けます」
Point!
理解を助けるパースや写真を添える
平面図の横にもイメージ写真を配置。LDKから見た個室がどんな様子になるかを描いたパースも添えるなど、施主目線に立って理解が進むような細かい配慮も施している。
事例2「浴室リフォーム」
◆事例紹介◆
築10年ほどでまだきれいな浴室だったが、入浴介助が必要な夫の父親が週1で入るためにリフォームを決意。当初は夫婦共にさまざまな要望がありつつ、なるべく安く済ませたいという話で予算は 170万~180万円だったが、熊谷氏の提案によって最終的な工事費は250万~260万円と大幅アップした。
Point!
要望を整理して書き、復習してもらう
現況の浴室の手描き平面図の横に、下の改修A案、B案で要望に対応している部分をまとめて書き出し、改めて自分たちの要望を復習しながら、2案を比較してもらいやすいようにした。
Point!
2案を提示しつつオススメのB案に誘う
要望通りのA案と、付加価値を付けたB案を並べて提示。押しは書き込みの多いB案だが、熊谷さんは「どうしますか?」と施主に選んでもらうスタイルを取る。狙い通り、入浴介助しやすいベンチカウンター付きのB案が採用された。
