初回は最低1時間
信頼を得る第一歩
新規顧客のほとんどは、競合他社と比較している、と話すのはとやまサンホームの野崎淳さんだ。「限られた時間のなかでいかに信頼を得られるかが常に大きな課題」です。
とやまサンホーム(富山県富山市)
1986年設立。リフォーム事業のほかに、不動産売買仲介、買取再販、賃貸仲介を手掛ける。年商は9億2800万円、うちリフォーム事業で4億3500万円。年間受注件数は413件で、100~ 200万円の部分リフォームが全体の約4割。内容は戸建ての水回りリフォームが多い。同社が管理する賃貸の修繕などは含まない。従業員は41名、うちリフォームは5名。
リフォーム事業部 部長
野崎淳さん
野崎さん曰く「今回とは関係ないけどここも見て欲しい」は、心を許してくれている合図。
昔は「しっかり測らなくちゃ」と思うあまりに、黙々と採寸していた野崎さん。すると、ヒアリングで引き出せる情報が少なく、その分プランの質も下がり、成約にもつながらなかった。「お風呂の取り換えだけなら30分程度で終わりますが、初対面の方にそれでは印象に残りませんし、早すぎて心配になる方もいます」
今では初回打ち合わせは、最低でも1時間滞在する。ポイントは、顧客にもリフォーム箇所を見てもらいながら、現調を進めることだ。採寸しながら「こうなってますけど、どういう風に使っておられるんですか?」と会話を広げることで「これあったほうがいいね、こんなのあるの?」など、より顧客の希望や好みを探るヒントが見つかる。
「家の中もそうですが、お客様をよく見るようにしています。一方的な会話だと、ずっと業者とお客様という平行の関係性で、交わることがありません。例えば同居や子育ての話など、共感できる話題がないか探っています」
「あなたに任せたいから、なんとか○○してくれない?」と、契約になる可能性が高いという。○○の中身は、値引きだったり問い合わせ以外の工事相談だったりとさまざまだ。プランや見積もりの前に「あなたに任せたい」と信頼を築けるかが肝となる。
同社のリフォームのボリュームゾーンは水回りリフォームで、競合の多い工事でありながら、同社の見積もり提出後では約6割をキープできている。

言われた場所だけの工事で終わらせない
要望を叶えて終わりにせず、長く付き合える関係性づくりも課題だと野崎さんは話す。
この記事の関連キーワード : とやまサンホーム わたしの課題突破メソッド 水回り 現場調査 現調







