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安江工務店、中古仲介の新店舗で集客力増強

安江工務店、中古仲介の新店舗で集客力増強

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国が推進する中古住宅流通市場の活性化を背景に、最近ではリフォーム会社が不動産事業を立ち上げて中古仲介や、それに伴うリフォームのセット受注を狙う企業が出てきている。また、中古住宅を自社で買い取りリフォームして再販するビジネスも活況を呈してきている。

安江工務店の不動産店舗
▲安江工務店の不動産店舗

駅前に新拠点開設

リフォーム会社の安江工務店(愛知県名古屋市)は名古屋市天白区の原駅前に15坪の不動産ギャラリーを新設。不動産事業とリフォーム事業の連携をより強めていくことが狙いだ。「取り扱う不動産情報は店舗のある天白区周辺のため、将来は既存のリフォーム店舗3~4店内に不動産窓口を設け、全店でリフォームと不動産をセットにした営業提案を行いたいです。仲介から派生する平均300~400万円ほどのリフォーム受注を増やしていく考えです」(安江博幸社長)。

同社が不動産事業を始めたのは今から約5年前。中古流通の増加を見込み、事業への参入を決意した。
「不動産会社とのネットワークを作り、案件を紹介してもらう方法もありましたが、それだと不動産会社の下請けになる可能性があります。主体となって行うためには、自分たちで流通事業を持たないといけないと考えました」(同社長)

買う側の情報は専用のサイトを立ち上げ収集。一方、売り情報は、約1万5000件のリフォームOB客に不動産事業を案内して集めている。
「OB客から集まった売り物件情報を他の不動産会社に流したところ、逆に『うちも出すよ』と売り情報が回りだしました」(同社長)

昨年度は初めて不動産事業が黒字化に転換。営業2名体制で1名に付き、月間約200万円の粗利となった。今期は新卒を1名採用し、3名体制で取り組んでいく。「今、不動産取り引きからリフォームにつながる割合は5分の1くらいです。目標としてはそれを2分の1ぐらいにしたい。商品のパッケージ化などにより、スピーディーに見積もりを出せるようにして、リフォームへのつながりを増やしたいと考えています」(同社長)

平均単価1500万円

「仲介+リフォーム」ではなく、中古住宅を自社で仕入れて改修後に再販するビジネスモデルを展開する企業も増えてきている。業界トップクラスの販売実績を誇るのはフジ住宅(大阪府岸和田市)。同社は地場の分譲ビルダーだが、再販をもうひとつの事業の柱とする。2012年度3月期の中古住宅再販事業の売上高は前期比38.6%増の231億2200万円。販売戸数は前期比41.1%増の1505戸となった。

「増収の主な要因は南大阪に1000坪を超える大型店舗『おうち館』を開設したことと営業エリアを地元の大阪だけではなく兵庫県にまで拡大し仕入れと販売を強化したこと。今期は1600戸の販売計画しています」(石本賢一取締役)。

販売価格は土地込みで平均1500万円。割安に住宅を手に入れられる点が好評だ。
今後、中古流通市場の整備が進めばより中古とリフォームを組み合わせたビジネスが活況を呈しそうだ。

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