環境省が平成26年度に民間の自立的サービス開始を目指す「環境コンシェルジュ」の取り組みが進みつつある。

▲どんな対策がCo2削減に効果的か一目瞭然
「環境コンシェルジュ」とは家庭のCo2削減をアドバイスする専門家。「家庭(うち)エコ診断」と名づけられた診断を行い、家庭のCo2排出状況を明らかにし、その対策方法のアドバイスまで行う。平成23年度から3ヵ年計画で、制度の確立を目指している。
平成23年度は温暖化防止の普及啓発活動を行う地球温暖化防止活動推進センターのうち40カ所で計5400件の「家庭エコ診断」を実施したほか、民間でも福岡の工務店のエコワークスとセコムが診断事業者として採択され、試験的にOB客に対する診断を実施した。
「家庭エコ診断」は家の構造やお風呂の利用時間、冷蔵庫の型番などをアンケートに記載してもらい、専用のソフトに情報を入力する形で行う。単にCo2の排出状況がわかるだけではなく、給湯、自動車、家電など、どの項目でCo2の排出量が多いか、どのような対策法があるのかまで表示されるため、具体的な行動に移しやすい。
「分野ごとに対策が表示されまして、縦軸の上に行くほどCo2の削減が多く、横軸は右に行くほど、元が取れるかどうかが示されます。例えば給湯でいうと節水シャワーヘッドは3000~4000円で費用が安いわりに効果が大きいのがわかります。ただ、高齢者がいるなど、効果が高くても暖房費は減らせないなどの事情がありますので、全体で効果がでるような形を想定しています」(環境省地球環境局地球暖房対策課・杉本留三課長補佐)
平成24年度も民間企業による試行診断を実施する。工務店サポートセンターやTOTO、LIXILなどが採択された。また、6月1日から各地域事務局で「家庭エコ診断」の受診家庭の募集を開始した。
診断を行うのは試験を通った「家庭エコ診断」の資格者。同資格は平成26年度に向け一般に広めていく計画だ。
「これまではできることからしようという考えでしたが、スーパーでビニールをもらわないようにしても、車で買いものにいくと1年分の努力が無駄になることもあったわけです。今後は全体のバランスを見てしっかり対策をしてもらおうと考えています」(杉本課長補佐)

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