モクチン企画、リフォーム案はレシピで公開

住宅ストック市場の新シナリオ13

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　賃貸の入居率低下を背景に、居室にリフォームを施して、空室を解消する取り組みが増えている。しかしデザインリフォームには、高い設計力・工事費用が必要。そこで低コストかつ誰でも効果的なリフォームができるように、優れた改修アイデアをレシピ化、パッケージ化する企業が続々と登場している。クラスコの賃貸リノベＦＣ「リノッタ」は、個性的なプランを提供

58種類のレシピ公開

　ウェブ上に58種類ものリフォームアイデアを公開しているのが、モクチン企画（東京都大田区）。同社は、2012年から木造賃貸アパートの改修案を紹介している。

　例えば「レシピ47　黒光りフロア」は、床面を光沢のある黒色で仕上げるというもの。壁と床の境界線をはっきりさせることで、開放感や奥行きを強調する。「レシピ54横幅いっぱいミラー」では、お風呂の壁の横幅に合わせた細長い鏡を設置。狭いお風呂でも広く感じさせる工夫だ。

　このような様々なレシピは誰でも見ることが可能。会員になることで、具体的な作り方や使い方を見ることができる。実際に、レシピを活用し、家賃1カ月分の工事で、家賃を10％上昇させた例もある。

レシピ47　黒光りフロア
壁と床を安易に同じ色にしてしまうと、安っぽく見ることも。境界線をはっきりさせることで、高級感演出。価格は平米5,000円ほど。

レシピ54　横幅いっぱいミラー
木賃アパートの多くは、お風呂が小さいもの。鏡で広く見せるテクニック。価格は3万円から。

築古物件の価値を向上

　連勇太朗代表理事は、「これまでは家賃を下げて入居者を入れることが常套手段。でも今後は、これだけでは生き残れないでしょう。リフォームなどの手段で、不動産会社自身が価値を生み出していくことが必要だと思います」と話す。