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《テクノロジーが変える建設業界の未来 vol.21》不動産SHOPナカジツ、DX推進課を立ち上げデジタルシフトを推進
時間・コストの削減に加え、ペーパーレス化を図ることができる電子受発注。「紙」へのサインが電子化されることで、建築・建設業界はどう変わるのか。受発注管理システムをいち早く取り入れた不動産SHOPナカジツ(愛知県岡崎市)の執行役員杉江純人氏に聞いた。
不動産SHOPナカジツの打ち合わせスペース
発注書もペーパーレスに、経理作業が10分の1に削減
不動産SHOPナカジツでは、5年前からIT推進を図るための専門部署「DX推進課」を立ち上げ、デジタルシフトに取り組んできた。「DX推進課」では、HP管理やマーケティングだけでなく、顧客向けの自社開発アプリ制作や導入した外部のシステムとの連携を図ったりとさまざまな取り組みを行っている。
この取り組みは、生産性を高めることが目的の一つだが、結果、営業社員一人当たりの生産性は5年前と比べて倍以上に。帰宅時間も早くなり、休日もしっかりとれるようになった。「営業は、なるべくお客様とコミュニケーションをとり、商談することに集中し、それ以外の事務作業や社内手続きを自動化しようと思っています」(杉江氏)
DX推進の一環で導入を開始したのが施工管理システムANDPADだ。さらに昨年からは試験運用から始めるかたちでANDPAD受発注のシステムの運用にも取り組んでいる。同システムは、受発注プロセスをオンライン化することでリアルタイムに進捗を管理・共有できるサービス。見積書、発注書、発注請書、納品書、請求書などの伝票をオンライン上でやり取り、管理ができる。建設業法・電子帳簿保存法など関連法令へ対応し、タイムスタンプ、電子署名機能を備え、工事請負契約だけでなく、見積もりや請求業務にも対応している。
ANDPAD受発注は、現場にいながら日々お使いのスマートフォンで、発注や納品、請求情報を管理することができる。建設業法・電子帳簿保存法にも対応
不動産+新築、不動産+中古リフォームをメインに展開している同社では、新築が年間約500棟、リフォームも約1500件発生している。これまでは注文書や請求書をFAXでやり取りしていたこともあり、施工前後で最低2往復は協力会社との書類のやり取りが発生していた。さらにデジタル化の過渡期にあったこともあり、その書類をPDFにするという作業も加わり、業務が煩雑に。事務員の作業の大半を占めていたものが何千枚という書類処理という状態だった。
属人化した部分が多かったので、当然作業のバラつきもあった。管理も社員のマンパワーに頼るところもあった。さらに店舗によって、人によって書類の処理の仕方が異なるなどの支障もあった。同社では、今後、新エリアの拡大を図る中で属人化を避け、業務に再現性を持たせたいと考えていたこともあり、新システムの導入を開始。
「時間で言うと10時間かかっていたものが1時間に短縮したイメージです」(杉江氏)
FAXでの書類のやり取りをしていた時は、協力会社が送ったと言っている書類が届いていなかったり、膨大な数の書類の中から必要なものを探すという作業に追われていたものが、案件、担当者、工程の進行状況などによって絞って書類検索ができる。また、サインも電子化されているため「上司のサインをもらうために会社に戻る」必要もなくなる。
「受発注にかける時間が削減できた分、品質管理などの建築の本来時間をかけなくていけない仕事に時間をかけられるようになり、劇的に変化しています」(杉江氏)
【企画開発部マネージャー/鹿熊佳恵】
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