静岡ガスグループ(静岡県静岡市)で、住宅事業を担う静岡ガスリビング(同)は、空き家に特化した買取再販事業者のSweets Investment(同)の全株式を取得した。
静岡ガスリビングは1987年設立。「エネリアリフォーム」の屋号で水回り設備の交換など3万9000件のリフォーム施工実績を持つ。ほか、新築や不動産、セキュリティ、人材派遣などさまざまな事業を手掛けており、2023年12月期の売上高は約36億円だった。社員数は266人。住宅全般に関わる事業を手掛けるなかで、地域社会の課題である空き家と、買取再販ビジネスに着目した。
静岡ガスリビングの杉山昌義社長(右)とSweets Investmentの玉木潤一郎社長
同社の杉山昌義社長はとくに物件の仕入れ方について、専門業者の力を借りたいと考えている。「リフォーム、新築に加え、空き家再販事業のノウハウを取得し地域のお客さまのライフステージに合わせた『住まい』のサイクルで発生するお困りごとをワンストップで解決していきます」。空き家事業については「当社はまだ知見がなく、ゼロから始めるとなると難しい分野だと捉えています」と、同社広報は話す。
また、Sweets Investment側は「空き家買取専科」の屋号で空き家を買い取り、リフォームして販売する独自のビジネスモデルを構築。2013年の創業以来、延べ300件の販売実績を持つ。大手傘下のもとで、事業を拡大したい構えだ。「独立ベンチャーでは成しえなかったグループのシナジーを得て、今後はより一層、お客様のニーズにあった商品・サービスを提供してまいります。 また、引き続き地域の空き家を循環させる業務を通じて、一層の社会貢献を果たしてまいりたく存じます」と、玉木潤一郎社長は前を見据える。
空き家買取専科のリフォーム事例(Sweets Investment)
買収の詳細な経緯は非公開としているが、きっかけとして同社が明かしたのは、2023年に東京国際展示場で開催された「リフォーム産業フェア」(リフォーム産業新聞社主催)のセミナーに、Sweets Investmentの執行役員の黒田淳将氏が登壇した際、静岡ガスリビングの杉山社長が聴講していたことだった。「運命を感じています。当社は自分たちでやってこうぜ、という気概をもった会社なので、正直、最初は戸惑いはありました(笑)。今は良いシナジー生まれそうだと、前向きな雰囲気になっています」(Sweets Investment広報)
11月より静岡ガスリビングからSweets Investmentへ矢嶋祐輝氏(最前列中央)が常勤の取締役として異動
両社の初の顔合わせでは、玉木社長が両社のCMソングをギター演奏で披露して場を和ませる一幕があった
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