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《ハイブリッド型給湯暖房システム》ガスと電気の"イイとこ取り"でエネルギー効率138%を達成

《ハイブリッド型給湯暖房システム》 ガスと電気の"イイとこ取り"でエネルギー効率138%を達成

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3年後には年間3万台を狙う

 ハイブリッド型給湯暖房システム「ECO ONE」は、2010年にリンナイが初代モデルを発表した製品。空気熱を活用した電気「ヒートポンプ」と、使い勝手の良いガス給湯暖房機「エコジョーズ」を組み合わせ、最大の相乗効果を発揮する世界初の給湯暖房システムだ。高いエネルギー効率と湯量を気にしない暮らしを実現する。

年間給湯コストを約6万円削減

 ECO ONEは、ヒートポンプ方式を主熱源に、ガスのエコジョーズが必要なお湯の量に合わせてハイブリッド運転を行う給湯器。

 普段はヒートポンプが効率よく45度の湯をつくり、50リットルもしくは100リットルのコンパクトなタンクに貯湯。キッチンや洗面、シャワー使用時にはヒートポンプがためたお湯を供給する。

 お湯を大量に必要とするときはタンクのお湯に加え、エコジョーズが足りない湯を追加する。ヒートポンプで8割、エコジョーズで2割の給湯を賄うというのが基本的な仕組みだ。

 2011年から発売されているダブルハイブリッド式ECO ONEは、給湯のほかに温水式床暖房にもヒートポンプの熱を利用するタイプ。現在、販売全体のうち、ダブルハイブリッド式が約1割を占める。

 ECO ONEは給湯における一次エネルギー効率の高さが評価され、2014年1月、省エネ大賞の最高賞「経済産業大臣賞」を受賞。ガス単一のエコジョーズでは限界とされる一次エネルギー効率88%を大きく上回る138%(15年型最新モデル)を達成した。

他機種別一次エネルギー効率比較
他機種別一次エネルギー効率比較

 従来のガス給湯器に比べて給湯光熱費を約61%削減。生活コストに占める光熱費の削減は今後の必須課題であり、「従来のガス給湯器に比べて給湯コストを年間約6万円削減」(リンナイ営業本部営業部・中尾公厚部長)できる同商品に注目が集まる。

 ハイブリッド型給湯器ECO ONEの販売は「2011年以降、毎年台数ベースで前年比50%増の伸長を示し、発売以来累計で2万5000台の販売実績」(同氏)だという。

 今年4月発売のECO ONE新型モデルでは、「エコキュート」と同じCO2冷媒に替え、ダイキン工業が開発し最新代替フロン「R32」を採用。40~45度の湯温であればCO2冷媒よりエネルギー効率が高い上、オゾン層破壊係数がゼロ、地球温暖化係数も極めて低いのが特徴だ。


年間給湯ランニングコスト比較 年間床暖房ランニングコスト比較

省スペースでの設置可能

 大型貯湯タンクが必要なエコキュートやガス燃料電池エネファーム設置よりも、システム全体が小型であるため、設置性の良さもポイントだ。

 また、従来の構造を見直し、設置場所に応じてタンクの向きを変えてガス熱源機を連結できるように改良。狭小地でも設置でき、試運転がワンボタンでできるなど組み立て作業も簡略化した。「設置時間は従来の40分から20分に短縮できる」(同氏)という。

狭小スペースに設置しやすいのも強み
狭小スペースに設置しやすいのも強み

 昨年度の販売は年間約8000台だが、今年度は1万5000台突破を見込むリンナイ。床暖房の裾野を広げるダブルハイブリッドECO ONEも含め「今後3年間でハイブリッド給湯器年間3万台の市場に育てたい」(リンナイ・内藤弘康社長)としている。

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