エクステリアリフォームは、団塊世代のリタイアに伴い、潜在的な需要が見込める分野。今回はエクステリアリフォームの掘り起こしとなる、窓周辺の提案ポイントを紹介する。
団塊世代に潜在需要 エクステリアに伸びしろ
昨年来、順次65歳を迎えた団塊世代のリタイアが進みつつある。リフォーム顧客のコア世代と言ってよいこの世代の約7割が、定年後には「庭が欲しい」と回答した調査がある(図)。男女でも東京・大阪在住でも、これは共通して多い答えとなっている。
さらに、庭でしたいこととして上位に挙がったのは、ガーデニング、家庭菜園。余暇を「庭で」「戸外で」手作業をして一定時間過ごそう、という意識が顕著と言える。
この「庭」「戸外」と室内をゆるやかにつなぐ部分が、窓周辺の縁側、テラスなどだ。この部分を快適に、スマートにするエクステリアリフォームは、潜在需要が見込め、掘り起こしが期待できる部分だ。
人気のウッドデッキは人工木主流
窓周辺のエクステリアは、おおよそ下部だけ(縁・テラス・デッキ)、上部だけ(屋根)、その組み合わせ(ガーデンルーム)で考えられる。
庭に面した窓まわりの下部では、最も手軽なのが、小スペースに設置が可能な濡縁。窓枠に設置するタイプもある。より広く開放的なスペースを作るのはテラス。また最近人気が高いのがウッドデッキだ。材質は木粉を含有した樹脂の「人工木」が主流で、耐久性に優れ手触りも木に近づけられている。
YKKAP リレーリア テラス屋根
花粉症対策、寒冷地で有用な「テラス囲い」
窓まわり上部のエクステリアは、「屋根」と「囲い」の2種類がある。テラス屋根は従来の物干し用、雨よけというだけでなく、現在は趣味性が高まり、日陰を作る、つる性植物でグリーンカーテンを作るなど居心地の良さ、エコ性能が重視されるようにもなっている。
「テラス囲い」は洗濯物を干すために使われることが多く、花粉症対策に、また積雪の多い寒冷地では必須の設備とされている。
エクステリアの「華」 ガーデンルームに関心
さらに、窓の外に部屋1つを作るのが「ガーデンルーム」だ。一部では非常に大きな盛り上がりを見せており、エクステリアリフォームの華になりつつある。
その理由は、1つには欧風のライフスタイルをモチーフにした、スマートで華やかな外観にある。園芸好き、庭好きに喜ばれる、あずまやのような居心地、趣味性の高さもある。メーカーでは非常に強く、このガーデンルームを押しており、今後さらに需要が伸びる可能性がある。
「夏暑く」「冬寒い」 空間になりがちな難点も
ただしその一方で、ガーデンルームは室内の快適さにはまだ不足要素が多い。材質は多くがアルミであり、ガーデンルーム自体の気密性や断熱性は決して高くはない。現状は「夏に暑く、冬は寒い」空間になりがちで、常に快適な住環境を保つとは言えないのだ。
四季や天候により「快適さに落差がある」ことを、顧客に開示して提案するようにしたい。
エクステリアリフォームには、派生リフォームが多い。潜在需要の高い、小さなエクステリアリフォームをきっかけに、次のステップアップにつなげていこう。

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