《デザイン建材 ♯01》
ネオレストNX(TOTO)
どこにもないトイレに挑戦
丸みのある斬新なデザインのトイレが話題を呼んでいる。その商品とはTOTO(福岡県北九州市)のネオレストNX。価格は57万円という高級品にもかかわらず「想定の3倍売れている」と同社担当は語る。デザイナーにヒットの理由を聞いた。
デザイン第一部 吉岡佑二デザイナー
陶器の最も自然な形
ネオレストNXを見るとまず真っ先に感じるのが、便器も蓋も丸みを帯びている点だ。これは従来のトイレのような角張った蓋も便器を床に止めるボルト、配管なども出ていない。
この丸み、実は陶器で作る便器として、今回最もこだわったデザインなのだ。
「陶器は角張っていること自体が不自然。年代物の白磁の壺に代表されるように、柔らかさ、優雅さを表すには丸みを帯びていることが最も自然なのです。ですから、陶器にとって丸いことが最も自然な形なのです」(デザイン第一部・吉岡佑二デザイナー)
そのため、樹脂製の蓋についても丸みを与え、閉じた時に便器と一体感を持たせた。色は透明感のあるパールホワイトで清潔感に溢れている。そもそも、以前のトイレは蓋と便器の色が、同じ白色でも微妙に色が違っており、蓋と便器の一体感に乏しかったという。そこで同社はこの「ネオレストNX」のために、パール塗装に乳白色を加えた塗料で、パールの粒子から色にこだわって開発した。

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