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YKKAP、コロナ禍でも受注につながる「災害に強い家づくり」

YKK AP、コロナ禍でも受注につながる「災害に強い家づくり」

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災害対策と情報発信の重要性説く

窓やドアなどの建材メーカーのYKK AP(東京都千代田区)は、9月8日オンラインイベント「Live Stream Forum 2020」を開催した。コロナ禍における住まいのあり方を各分野の専門家の視点から解説するもの。ビルダー、設計事務所、リフォーム・エクステリア事業者らが参加した。M's構造設計代表取締役社長の佐藤実氏、WELLNEST HOME創業者の早田宏徳氏2名を講師に迎えた。

10月6日、11月10日にもライブ配信を実施する

災害対策には「立地と建物性能の同時提案」

佐藤氏は「自然災害を考えた家づくり」をテーマに地震、台風に強い家づくりは構造計算によって対応可能だと話す。まずは耐震等級を上げること(等級3を目安)。耐風としては、屋根の取り付け、窓破損によって風が吹き込むことを防ぐための開口部の見直し等があげられる。しかし、こうした構造で耐えるには限界があり、危険エリアには住まない、有事にはすぐに逃げるということをプロの目線からも考えるべきだという。

そのため、立地と建物性能の同時提案が重要だという。「建物性能ももちろんですが、住むべき場所かどうかを、不動産業者だけでなく建てる側が考える必要があると思います。地震に強い家は台風にも強いということを、構造計算して提案できれば強みになるのでは」(佐藤氏)

YKK AP 同氏は「免振・耐震・制震」の明確な違いはプロでも意外と説明できないと話す同氏は「免振・耐震・制震」の明確な違いはプロでも意外と説明できないと話す
免振:地震力自体を建物に伝えないようにする 
耐震:揺れに耐えるよう建物を硬く作る
制震:地震力は入ってくるが、揺れを吸収する

一方で、SNSを活用した情報収集が普及したことで、消費者の知識量は増加していると佐藤氏はいう。「消費者はYouTubeなどのSNSを通し、高性能住宅の知識を得ています。そのため、きちんとした提案ができなければ信頼されず、依頼されなくなってしまいます」一方で、説明と提案さえできれば受注へつながっているといい、いかに専門知識を持った提案が重要かを説いた。

コロナ禍でも成長する住宅会社とは?

続いて登壇したのは一般社団法人日本エネルギーパス協会の理事も務める早田氏。WELLNEST HOMEのコロナ禍での受注状況は、昨対比で増加傾向にあるという。YouTubeのチャンネル登録者数は、今年2月に5391人だったのが8月には1万6214人まで急増した。家づくりの一般論から、構造見学会ではノウハウ公開を行うなど、オールユーザーを対象にしたコンテンツを展開している。

早田氏は「発信をしないとだめです。いい住宅を作っている自信があるのであれば尚のこと、きちんと届けないと自信がないように取られてしまうこともあります」と話す。こうした情報発信により、同社ではコロナ禍でも広告費をかけずとも結果的にweb問い合わせが増加。なかでも、月10件程度はYouTube経由での断熱系リフォーム相談があり、対応が追い付かないほどだという。

「新築にすると3000万、そこまでの予算はないが、2000万とか1500万のリフォームで何とかできないか、というような方が多いです。なので『ゾーン断熱』、つまり安心して暮らせるように重要な部分だけ気密・断熱、耐震補強を施す事例もあります」

YKK AP 早田氏が提唱する「持続可能なまちづくり」早田氏が提唱する「持続可能なまちづくり」

「断熱・気密性能を確保しないと、耐久性は上がらず、家は長持ちしません。加えて、換気・空調管理を、日射遮蔽などの状況に合わせ自動化していかないと、高性能住宅を快適に、しかも省エネに暮らすことは難しい」。ただし、性能の確保だけでは完璧な持続可能な家ではない。「換気・空調設備の性能向上も必要ですし、戸建て住宅に比べ外壁が隣接することで断熱化のコストを下げられる集合住宅化も重要になってきます」(早田氏)

コロナで求められる住宅性能に対応するYKK APの商品

こうした基本的な住宅性能の向上はもちろん、ステイホーム期間による働き方の変化、災害への備えなど、住まいに求められる価値の多様化が進む。災害対策ではこれまで以上に自宅が安心して暮らせる場所である必要がある。YKK APでは窓・開口部からの性能向上製品として、台風対策に有効なリフォーム向けに後付けできるマドリモ 耐風シャッターGR、大開口でありながら耐震性能を持つ耐震フレーム+窓のFRAMEⅡなど機能面の充実を図っている。また、実際の性能実証のために戸建て性能向上リノベーションの実証プロジェクトの全国実施を広め、選択肢の提供を推進する。

YKK AP 開口部の防災対策に有効なリフォーム商材を多くそろえる1YKK AP 開口部の防災対策に有効なリフォーム商材を多くそろえる2開口部の防災対策に有効なリフォーム商材を多くそろえる

問い合わせ先

YKK AP ロゴYKK AP
Mail:info_aplug@ykkap.co.jp
URL:https://aplug.ykkap.co.jp/live-stream-forum-2020/

動画配信の情報発信企画「YKK AP RELATIONS NEXT『窓で、安心。』」のひとつとして実施しているLive Stream Forum 2020。高性能住宅、エクステリアやリノベーションなどあらゆる分野のキーパーソンを講師に迎え、それぞれの立場からの住まいのあり方を語るもの。定期的に実施しており、第1弾6月4日・8日の開催時は、2日間で延べ3500名が参加した。
次回10月6日はランドプランナーズ代表の平山郁朗氏がまちなみ設計の手法を、アントニオデザイン事務所代表の北川晋也氏がエクステリアリフォーム提案の手法を伝える。11月10日は松尾設計室代表の松尾和也氏、みかんぐみ共同代表の竹内昌義氏が登壇する。

《開催スケジュール》
10月6日(火)13:30~16:00
11月10日(火)13:30~16:00
※参加費無料(A-PLUGへの無料会員登録が必要)
申込URL:https://aplug.ykkap.co.jp/live-stream-forum-2020/

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