リフォーム産業新聞では主な住宅設備建材メーカーの前期売上高や営業利益を調査したところ、87%の企業が減収だった。一方で営業利益は42%の企業が増益に。コロナ禍の中でコスト削減を進め、利益確保に動いたケースが目立った。
コロナで売上減、87%の企業が減収 営業利益は42%が増益に
調査データは2020年6月から2021年5月の間の決算数値。この対象期間は、新型コロナ第1波による緊急事態宣言の解除後から、現在の第5波に至る期間。
各社業績は厳しく、前年比率が分かっている98社で、増収となった企業は全体の13%。87%が減収となった。前期比の平均は6.5%減。一方、利益面では、前年と比較可能な61社のうち増益は26社。割合は42%だった。10%以上伸びた会社も18社あった。
ランキングのトップ2は、パナソニック(ライフソリューションズ社)とLIXILだ。減収ながらも1兆円を超える売上高を維持している。
パナの売上高は前年から21.2%減の1兆5073億円、営業利益は62%減の692億円だった。コロナ禍で空質関連事業が進んだが、一部の住宅関連事業の非連結化や市況の悪化で減収に。LIXILの売上高は同9.0%減の1兆3782.5億円。一方、営業利益(IFRSの事業利益)は9.6%増の572.8億円と減収増益だった。非接触への関心の高まりからタッチレス水栓のナビッシュなどの売上が前年比176%となったほか、自然災害の頻発やニューノーマルへの対応商材として、玄関用収納網戸が前年同期比61%増、スマート宅配ポストが同53%増、リフォーム用シャッターは同55%増と需要が伸長した。
TOTOの売上高は同2.6%減の5809.3億円、営業利益は12.5%増の413.5億円の減収増益。下期にはリモデルが回復。タッチレス商品やウォシュレットが国内外で伸長した。
好調なのは8位のリンナイ。国内ではガス衣類乾燥機など高価格の商品が伸長、米国はタンクレスガス給湯器が拡販するなど、売上高は同1.1%増の3443.6億円、営業利益は同18.2%増の406.9億円と増収増益だった。
そのほか、6位は国内汎用市場でトップシェアを持つ日本ペイントで売上高は同18.9%増の4409億円。抗ウイルス塗料等の新規需要の拡大を目指している。
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