家を太陽光や風雪雨、災害から守る屋根材は、軽量で耐久性や防水性の高いものが選ばれる。過酷な環境に日々さらされる屋根は一定年数でのメンテナンスが不可欠だが、葺き替え時には高性能のものを選ぶことで長持ちさせたい。
クローズアップ建材 屋根材の基礎知識
昨今は重量のある和瓦は敬遠され、金属屋根やスレート屋根への葺き替えが全国的にみても主流になっている。また、瓦屋根以外であれば、手軽で工期が短く、低予算に抑えられる重ね張り(カバー工法)も適用可能だが、既存屋根の損傷が激しく、下地も腐食している場合には葺き替えのみの選択となる。
金属製屋根は、耐候性が高く災害にも強いガルバリウム鋼板を中心に、軽量で強靭なものが主流になっている。ガルバリウム鋼板は基板が鉄で、そこにアルミと亜鉛、シリコンで構成される合金をメッキしたもの。瓦と比べると圧倒的に軽くサビにくくさまざまな形に加工もできる。昨今は、マグネシウムも配合させてさらに耐久性が増したエスジーエル(次世代ガルバリウム)も登場し、防錆や金属製屋根の弱点とされていた遮熱性や静音性などが改善したモデルも登場している。エスジーエルは、施工中の傷や将来発生のおそれがある傷の腐食進行も強力に抑制する作用がある。
- 平板スレートのためのカバー工法
- シーガード[オークマ]
- 既存平板スレートの上に専用接着剤を塗布し、その上に鋼板屋根材を張り付けるため、漏水の心配がない。また、既存平板スレートと納まりの高さがほぼ一緒のため、既存のガルバリウム鋼板の周辺板金を交換せずコストダウンが可能。また「ちぢみ鋼板」の採用で、紫外線劣化による色あせの発生を大幅に遅らせることができるため、耐候性にも優れている。

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