自然界にある「岩清水」の原理を生かした水改質装置の販売に情熱を傾けているのが、都市拡業(神奈川県横浜市)の田尻惠保社長だ。「水」に恵まれ、国際港湾都市に発展したことで知られるミナトヨコハマで、3代続いて水処理の仕事に携わってきたプロフェッショナルだ。
ニーズ高く、戸建て住宅にも人気
「活性化された水を毎日飲むことで健康を取り戻したという評判が多いですね。私も長年飲み続けていますが、若返ったねと言われます」(田尻社長)。
同社が10数年前から販売している「ザ・バイオウォーター」は、給水管に取り付けるだけで、水道水がさまざまな機能を持った水として生まれ変わるという装置。地中に浸み込んだ雨が鉱物結晶に触れて、岩清水となって地表に出てくるまでの自然界のプロセスを1台の装置で再現しているという。
従来の浄水器との違いは、ザ・バイオウォーターで水道水を処理すると、塩素の消毒力を残しつつ臭いや刺激のないおいしい水となることだ。このため、体に良い水を求めるユーザーが、同装置を戸建て住宅に設置するケースが増えている。約3000例の設置実績のうち、約6割が住宅だ。
「装置内には、人工の鉱物結晶を高温焼成したセラミックファンを内蔵。水道水を通すと水圧でセラミックファンが回転すると、水がその間を通過することで活性化されます。普通の水道水が、『制菌力がアップし、水が腐りにくくなる』『給水管がさびない』『味がまろやかになる』などの特徴を持った水に生まれ変わるのです」
人工の鉱物結晶で水を改質
劣化防ぐ「酸化被膜工法」
田尻社長が、この「ザ・バイオウォーター」に取り組んだきっかけは、給排水設備工事の需要がバブル崩壊で激減したことだった。給排水のノウハウを生かし、水に関する新事業を模索した末、セラミックを使った水改質技術に出会い、サビ対策に取り入れることを思いついた。改質された水が、給水管内部の既存の赤サビを剥離させ、同時に黒サビを生成させて配管の劣化を防ぐ「酸化被膜工法」の誕生だ。
今後も水道水の質をさらに進化させ、人々の暮らしの改善と環境保全に貢献したい、と意気込みを語る。

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