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LIXIL、住宅サービス事業拡大へ2年後790億円目指す

LIXIL、住宅サービス事業拡大へ 2年後790億円目指す

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 LIXILグループ(東京都千代田区)は、中古流通や住まいの建物検査といった住宅・サービス事業の強化を進める。現在、642億円である同事業売上高を2年後の2016年に約150億円増の790億円まで拡大する計画だ。

 LIXILグループの住宅・サービス事業は、6つに分類される。

  • (1) 3つの住宅FCを展開するLIXIL住宅研究所
  • (2) 住宅瑕疵担保責任保険法人の最大手、日本住宅保証検査機構
  • (3) 地盤検査最大手のジャパンホームシールド
  • (4) 住宅・不動産サービスを提供するLIXILリアルティと不動産ネットワークのLIXILイーアールエージャパン
  • (5) 5つの有料老人ホームを展開するLIXILシニアライフカンパニー
  • (6) 注文、建売住宅を提供するクラシス         ――となる。

LIXILグループ

 現在は(1)のLIXIL住宅研究所の売り上げが最も大きく、約300億円と約半分を占めるが、伸び率として大きいのは(4)の中のLIXILリアルティ。茨城や大阪の会社のM&Aなどを通じ、規模を拡大しつつある。

 現在、同社は住生活関連市場規模を40兆円とみており、2020年には49兆円に伸びると予測。そのうちサービス市場は24兆円から32兆円と33%の伸長予測を立てており、その中でのシェア拡大を進める方針だ。

 「これから急激に高齢化し、人口減少する中で住まいの在り方自体の質が変わってくるとみています。そこに向けたサービス事業を展開します。ハードである設備の製造とリフォームを推進する中、お客さんそれぞれのニーズにサービス提供しながらサポートしていきます」(松村はるみ執行役員専務 住宅・サービス事業担当)

 事業拡大に向けすでにトライアルとして、4つの事業を展開。1つ目が10月1日から始めた戸建住宅管理サービスの「ハウスオーナークラブ」だ。同サービスは住宅管理業が確立されていない持ち家一戸建てに提供する専門家による定期点検、管理サービス。月額1750円で、5年目の点検や設備トラブルの緊急サポート、日常の困り事の手伝いなどを行う。

 2つ目が住宅検査・評価サービス。中古住宅の売り主が、売却前に住宅・検査評価を行うことで性能を見える化し、流通の活性化を行うものだ。検査後はリフォーム提案も行い、一定性能を超える住宅流通を推進する。

 3つ目はシニアサービス。運営する高齢者施設のノウハウを生かし、新たなビジネスを福岡エリアで展開する。10月1日には住宅リフォームや老人ホームの紹介を行う高齢者の相談窓口「LIXIL高齢者の住生活相談センター」を開設したほか、11月1日に居住介護支援事業所「介護計画 百道(ももち)」をオープンする。「介護計画 百道」とは、要介護認定の申請代行やケアプランの作成を行う事業所。介護に必要な住まいや暮らしの不安、悩みをワンストップで解決する。今後は東京での展開も検討している。

 最後の4つ目は、金融サービスである住宅ローン「LIXILフラット35」の利用拡大。2009年より住宅金融支援機構の参入許可を取得し、同ローンを展開するが、これまでは住宅FC店、TH友の会会員にサービス提供を限定していた。5月からLIXILジャパンカンパニーを通じ各ビルダーへの告知活動を開始。新たに300社から提携合意を取得した。

 今後は空き家の活用、リフォーム後の住まい価値向上など、幅広い分野への事業展開も検討。サービスビジネスの強化を図る。

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