最近の雨といは、機能性はもちろんのこと、形や色などの「美しさ」も重視されるようになってきた。ユーザーの希望に応えて、外観重視をうたう製品が続々と登場。今や雨といは、住まいのイメージに合わせて、細かく選べる商品となっている。

前面を垂直にして破風板のように見せることで、雨といの存在感を感じさせない。また前面にローレット加工を施して、樹脂特有の光沢感を抑えている(写真提供/積水化学工業)
塩ビ製は色も形もバリエーション豊富に
住まいの耐久性を保つうえで、大切な役割を担う雨とい。製品としては、塩化ビニール樹脂製が多い。かつては塩ビ雨といの色や形にはバリエーションが少なく、外観のデザインにマッチするものが見つかりにくいという難点があった。
しかし現在では、グレー、白、ブラウン、黒、アイボリーなどさまざまなカラーのものが発売されている。経年による雨といの色あせを防ぐための耐候性処理も一般的になってきた。
形状は、建物の美しさを強調するシャープなデザインのものが多い。雨とい前面に樹脂の光沢感を抑えるローレット加工(凸凹状の模様を刻む)を施すなど、他の建材になじみやすくする工夫が凝らされたものもある。
存在感を薄くし目立たなくする工夫も
建物外観への影響を考慮し、できるだけ雨といの存在感を目立たなくする工夫を凝らした製品もある。
例えば、雨とい同士のジョイント部分。従来は接合部を外側から取り付けていたが、これを内側からつなぐことで目立たなくしたり、取り付け金具を内側から固定し、外から見えないように収めたりと、さまざまなアイデアが用いられている。
また、排水機能とデザイン性を両立させた製品も登場した。縦といの太さと形状をアレンジすることで、排水能力を従来の2倍に上げながら縦といは細くでき、しかも全体の本数を減らすことができるというものだ。
モダンな家に合うデザインも登場
塩ビ樹脂製より価格帯は上がるが、耐久性・耐候性を高めるために、ガルバリウムやステンレスなどの金属素材の雨といや、金属と塩化ビニール樹脂を組み合わせた素材の雨といも多く使われるようになっている。
表面をメタリック調に仕上げて建物との調和を図った製品や、シンプルな箱型のフォルムを持った製品などは、モダンな外装の家にも違和感なくマッチすると人気が高い。

金属の特長を生かした、エッジの効いた箱形デザイン。収まりもよく、建物外観を美しく見せる
(写真提供/タニタハウジングウェア)

軒といだけでなく、縦とい、コーナー部、合流部までラインデザインを施し、シャープで高級感のある外観に仕上げている(写真提供/パナソニック)
また年月を経ることで独特の色と風合いを生む銅製雨といも、根強い人気がある。
さらに、銅板にステンレスを組み合わせることで、特有の美しさはそのままに耐久性を上げた製品も登場している。
▶パナソニック「雨といアイアン」
▶タキロン「サイホン雨どいシステム ジェットライン」
▶積水化学工業「ユニシェイプ UST140」
▶タニタハウジングウェア「HACO」
▶電気化学工業「トヨ雨どい バニエール」

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