女性パートスタッフの活用で、ヤマモトホールディングス(千葉県松戸市)に注目が集まっている。同社は、2年前から女性パートの採用を拡大。当初4人だったパートが現在20人まで増加している。その効果もあり、前期年商は36%増の約11億円に伸ばした。
見積もり、積算の作成などに活躍
女性パートの人数増加に合わせて、社内でパートの担う役割も拡大させている。当初の仕事内容は主にショールームの受付と総務だった。しかし、現在では、事業の核となる部分に携わるまでになっている。具体的には、見積もり・積算・提案書の作成などの営業アシスタントと、OB客を定期訪問するアフターフォローなどだ。
パートスタッフ拡大の理由について、山本英明社長は次のように話す。
「社会復帰をしたくても、子育てなどで時間に制約があるため断念している人は多い。しかも一度社会で働いた経験があり、基本的なスキルを備えている優秀な女性は少なくありません。そのため早期に戦力になってくれる」
女性目線の提案により、顧客満足度の高いリフォームの提供にもつながっている。
以下は、社員の顧客への提案に同行したパートスタッフの例だ。ある住宅の大型改修で、当初のプランでは飼い猫に配慮した出入り用の開閉扉を提案。同行したスタッフはさらにリビングとキッチンの間にある1本の柱に注目。ジャンプできるステップ台を設置するアイデアを出した。顧客は大変喜び、プランに盛り込まれることになった。
「生活者として肌で感じたことを表現してくれるので、顧客への説得力が高い」(同社長)
短時間でも働きたい人を採用
同社がパートの採用で重視するポイントは3点だ。
1つは、短時間でも働きたいと意欲を持っている女性。同社はパートの勤務時間は比較的自由に設定している。「短時間ですので、高い集中力で効率的に動いてくれます」(山本恭子エリアマネジャー)
2つ目は、趣味を持っていること。料理やアウトドアなど、趣味を持っている人を優先的に採用している。「例えば、料理が趣味でしたら、キッチンリフォームの提案で力を発揮してもらえます」(同エリアマネジャー)
3つ目は話し好きな人だ。コミュニケーション能力が高く、社内にすぐなじめるうえに、顧客提案の場面で力を発揮できることが理由だ。
資格取得が自信に
同社は昨年9月、「リフォームスタイリスト」資格試験に社を挙げて参加した。パート13人が積極的に受験し、全員が3級に合格した。
「資格取得したスタッフの行動に自信が生まれました。『パートだから仕事はここまで』などと考えなくなった。社全体の動きを見て仕事をしてくれています」(同エリアマネジャー)
1月には残りの7人も受験。
「今後は、例えばキッチンスペシャリストなどの資格取得を促していきます」(同社長)
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