LIXILがエクステリアの新戦略を打ち出した。住まいを正面から見たファサード空間の市場創造に本格着手するもので「NEXT EXTERIOR」と命名した。
近年、新築住宅の減少と門まわりの簡素化傾向により、エクステリア市場の縮小が進んでいる。現在その規模はファサード、ガーデン、カーポートと3大エクステリア市場を合わせて2500億円。そのうち1000億円を占めるファサードでは、門扉の取付率が10年前の27%から13%と半減するなどダウンサイジングが目立つ。

6月に発売するデザインウォール「テグラン」と上席執行役員エクステリアBU長・小林秀樹氏
「NEXT EXTERIOR」ではこれを重点強化しデザインウォール、エクステリアライトなどの新シリーズ商品を投入、市場の活性化を図る。
「近年は残念ながら寂しいファサードの住宅が増えてしまっているが、一方で生活者アンケートなどでは外観の見栄えをよくしたいと考える人が50%近くに達するなど、この分野におけるエクステリアリフォームの潜在需要は大きい。今後は『寂しいファサードを素敵な空間に変える』をビジョンに今年をエクステリア元年とし、業界をけん引していきたい」と(上席執行役員エクステリアBU長・小林秀樹氏)
新商品はデザイン性・機能性・施工性に重点を置く。建材・素材・植栽・照明といった要素は「交わる・縁取る・重ねる」手法でバランスよく融合させ空間をデザインする。
照明は、これまでの主役的な配置を見直し、ものを美しく照らすことを目的とした間接照明による演出を提案。建材や植栽に馴染むハイパワーでコンパクトな照明器具を開発し、ライティングのビギナーでも選定しやすいラインアップを揃えた。
またファンクションポールを軽量化した。本物のタイル貼りでありながら、超軽量下地パネルの開発により本体重量を従来の80㎏から30㎏に軽量化。本体色、タイル、幅などのバリエーションで3000種類以上の組み合わせが可能だ。
「エクステリア業界のもう一つの課題としては、熟練した職人の不足が挙げられます。建設市場全体では、技能工・建設作業者数は1997年の685万人から現在500万人程度まで減っており、しかもその1/3が55歳以上。これらをふまえ、今回発表した新商品では省施工化・簡易施工化にも配慮しました」(同氏)
新商品の初年度目標は10億円。また同社全体の現在のエクステリア部門売り上げ1200億円を2年後1300億円、2020年には1500億円まで拡大を目指す。

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