エクステリアのリフォーム商材として、バルコニーのウッドデッキの人気は高い。無機質なコンクリート空間が、ガーデニングで四季を感じ、家族が憩うアウトドアスペースに変わる。ただ風雨や日射にさらされるだけに、素材選びが肝心だ。
空洞になっており、アルミの芯材が入っている
やさしい温かみを感じる"天然木"腐朽が少なく高耐久な"人工木"
ウッドデッキはもともと"木製の甲板"という名の通り、水に強い樹種を使って洋船やヨットの甲板に使われていた。
天然木によるウッドデッキは、自然の持つ温かい雰囲気が魅力で加工性も高いが、樹種や産地、樹齢等によって大きく価格や特徴が異なる。また木の特性により、曲がりや表面のヒビ割れ、変色、腐朽、カビ害などの経年劣化が起こりやすく、低価格なものほど、まめなメンテナンスが不可欠となる。扱いには、ささくれやトゲ等の危険があるため、手袋やサンダルなどで肌を保護する必要がある。
そこで人気を集めているのは、耐久性の高い人工木のウッドデッキだ。木粉にポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック樹脂を配合し、木質感を高める表面加工を行った成形品で、天然木のように腐ることもなく高耐久だ。
しかし日射の厳しい夏には熱がこもって高温化したり、激しい温度差による伸縮が繰り返され、破損する恐れもある。
彩木の施工例
アルミが軽さと強度を確保 高密度ウレタンが伸縮を抑制
最近、耐久性が高い人工木でありながら、高温にも強い商品も出てきた。エクステリア建材の製造、販売、施工を行うMINO(長野県伊那市)が、開発したのが複合建材「"彩木(あやぎ)"」。アルミの芯材に硬質発泡ウレタン樹脂を被覆したハイブリッド構造で、天然木から木目を型取りした丁寧な塗装を施した。それにより天然木同様の質感で、メンテナンスフリーの耐侯性、耐久性を可能とした。また断熱材仕様の高密度のウレタン樹脂を使うため、夏の日射熱でも表面上で放熱するだけで蓄熱することがない。
さらにアルミの伸縮性をウレタンが抑える相互作用で、コンクリートに匹敵するほど伸び縮みも起こさない。カラーは、リビングのフローリングからのつながりを意識した唐茶(からちゃ)・桧皮(ひわだ)・古木(こぼく)・白茶(しらちゃ)の4色展開。
MINOの杉本康浩企画室長は「自然な木目と木質感の再現にこだわっているため、職人さんからも"持ちあげて初めて、その軽さで人工材だと分かった"と言われたりしますね(笑)。ユーザーさんからは、"木と違って子供たちを素足で安心して歩かせているが、ウレタンのやさしい感触がとても心地よい"と好評です。夏のいやな暑さも感じられないため、"家族でバルコニーで過ごす時間が増えた"といううれしいお便りもいただいています」と話す。

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